悪いのは生きも物ではないけれど…知らないと危ないことも!?お尋ね者!外来生物について考えよう|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
静岡
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2022.04.06

悪いのは生きも物ではないけれど…知らないと危ないことも!?お尋ね者!外来生物について考えよう

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4月に入り、生き物たちが活発に動き出しているよ。みんなは生き物を見て、「どこから来たんだろう?」と思ったことはあるかな? 今回は、海外からやって来た「外来生物」の種類や私たちへの影響について考えてみよう。

外来生物って何?

ずっと昔から、もともとその地域にいた生き物を「在来生物」というよ。例えば、キジは日本の在来生物。一方、もともとはいなかったけれど、〝人の活動によって〟海外からその地域にやって来たものを「外来生物」というんだ。例えばみんながよく知るアメリカザリガニや、クローバーでおなじみのシロツメクサは、もともとは何らかの目的のために持ちこまれた外来生物なんだよ。

現在、日本に生息する外来生物は2000種以上。ちゃんと管理していれば問題が無いけれど、地域の自然や人に危害をおよぼす問題も起きているよ。特に「特定外来生物」に指定されている種類は注意が必要なんだ。では、外来生物による問題とは、いったいどんなことなんだろう?

外来生物には要注意なものも

大きく分けて問題は3つ。1つ目は、もともといた生き物が、食べられたり、すみかや食べ物をうばわれたりすること。2つ目は、農産物や漁業への影響。例えばアライグマは畑をあらし、作物などを食べてしまい、静岡市内でも被害が深刻なんだ。またアライグマは、人をおそったり、狂犬病やアライグマ回虫といった病原体を持ったりしていて、人に感染させるおそれがあるよ。これが3つ目、人の命や身体への影響だよ。

でもこうした外来生物は、運ばれて来た所でただ生きていこうとしているだけ。それをきちんと理解して、地域の自然や人の暮らしを守るためにはどうしたらいいのか、左のコラムも参考にして、ぜひ考えてみてね。そして、日ごろから身近な自然をよく観察しよう。みんなが自然の変化に気づくことが、地域の自然を守ることにつながるよ。

外来生物はどうやって日本に来たの?

外来生物は、海で囲まれている日本に、一体どうやって来たのかな。

① 人の目的のために運ばれた

ペット用や、観賞用、農業用、食用などの目的で輸入され、人によって持ちこまれた。

② 知らないうちに来てしまった

外国から帰国した人の、服やくつの裏に付いていたり、船で運ばれた資材に付着したりしてやって来た。

外来生物はどんな問題を起こしているの?

一部の外来生物は、地域の自然や人間に、以下のような被害をおよぼすよ。

① 動物や植物への問題

在来生物が、外来生物に食べられたり、すみかや食べ物をうばわれたりして、数が減る。その結果、自然界のバランスがくずれてしまう。

② 農業や漁業への影響

畑や果樹園、漁場などをあらしたり、作物を食べたりするものがいて、農業や漁業に被害が出る。私たちの生活にも影響がおよぶ。

③ 人の健康への影響

毒を持っていたり、かみついたりして、人や動物に危害をあたえる。寄生虫や病原体を人や家畜に感染させる危険がある種類もいる。

要注意!静岡で発見されている 主な特定外来生物

特に悪い影響をおよぼすおそれのある外来生物は、法律で「特定外来生物」に指定されているんだ。静岡市で確認されている、主な特定外来生物を4つ紹介するよ。

カミツキガメ

原産地:北アメリカ、中米
最初はペットだったのに捨てられました

陸では攻撃的に動き、あごの力が非常に強く、人間の指をかみちぎってしまう危険あり。

【特徴】

  • 甲羅の後ろ側がギザギザ型
  • 甲羅は最大50cm
  • 沼、池、川などに生息

 

アライグマ

原産地:北アメリカ
ペットだったけれど捨てられて野生化しました

繁殖力が強く、数が爆発的に増加中。農水産物への被害、家屋などへの危害も拡大。

【特徴】

  • しましまの尾
  • 目の周りが黒いバンド状
  • 耳に白いふち取り
  • 5本指

 

セアカゴケグモ

原産地:オーストラリアなど
輸入資材にまぎれこんで日本に着きました

メスは、かまれると痛みやはき気などの症状を引き起こす毒を持っている。

【特徴】

  • メスは1円玉程度の全長
  • 腹部がまん丸
  • 黒色の体に赤い模様

 

オオキンケイギク

原産地:北アメリカ
観賞用として 持ちこまれました

在来の野草を追いやり増え続け、景観を一変させる性質が。これ以上拡げないように駆除されている。

【特徴】

  • 黄色のコスモスに似た花
  • 5月~7月に花がさく
  • 高さ30 cm~70cm

 

私たちにできることは?

もともとの自然を外来生物の被害から守るために、私たちにもできることがあるよ。

入れない!

海外旅行などから帰るとき、知らないうちにくつやかばんに植物の種が付いていることも。外来生物をうっかり自分が持ちこまないように、身の回りの付着物をチェックしよう。

捨てない!

飼っている生き物は、責任を持って最期までお世話しよう。絶対ににがしたり、捨てたりしないこと。ペットを飼う前に、きちんと飼い続けられるかをよく考えよう。

拡げない!

外来生物をもともといた場所から気軽に取って帰ったり、どこかに捨てたりして移動させないこと。生息地を拡げないために気を付けよう。

正しく知る!

注意が必要な生物の存在や姿を知らなければ、たとえ目にしても気を付けることができないよね。地元の生き物について調べたり聞いたりして、正しい知識を持とう。

こんなときはこちらへ

もし特定外来生物を見つけたら

▶︎すぐにおうちの人に教えて 市役所に報告してもらおう。

動物の場合、けがのおそれも あるので、さわらない! 近寄らない!

連絡先 : 静岡市役所環境創造課 ☎ 221-1319

外来生物についてくわしく知りたいなら

▶︎ホームページを見てみよう。

  1. 静岡市 「しずおかみんなのしぜんたんけんてちょう」
    https://www.shizutan.jp/
  2. 環境省「しってるかな?外来生物。」
    http://www.env.go.jp/nature/intro/kids/index.html

 


監修:静岡市環境創造課

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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