【旭山動物園だより】動物たちの冬の寒さ対策|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
北海道
動物園だより
2022.01.20

【旭山動物園だより】動物たちの冬の寒さ対策

目次 [非表示]

旭山動物園の獣医師・池谷優子さんが、動物や動物園、自然について紹介するコーナーです。

今回のテーマは… 動物たちの冬の寒さ対策についてです。

動物たちの冬の過ごし方

旭山動物園は、日本で最も北にある動物園です。冬が本格化すると、園内はたくさんの雪におおわれ、日中でも寒さはかなりのものになります。そんな冬の日々、動物たちはどう過ごしているのでしょうか。いろいろな環境を生息地としている動物たちの寒さ対策は、大きく3つに分けられます。

1つ目は、オランウータンやカピバラ、サルなどの体は小さめで、熱帯から温帯に適応した動物たち。基本的に冬場は外に出ず、20℃弱に保たれた室内で春を待ちます。

2つ目は、キリンやカバなどの体が大きな動物たち。1日に2~3時間程度、外に出て過ごします。私たちも寒さが厳しくなるに従って体が慣れてきますが、暖かい地域の動物でも、ある程度は気候に慣れることができます。体が大きく、熱がうばわれにくいので、その日の天気を見ながら外に出ます。積もった新雪を食べるなどして、思い思いに過ごしていますよ。

雪を食べるキリン

毛や脂肪で寒さ対策

3つ目は、冬をモノともしない寒冷地の動物たちです。アムールトラやユキヒョウ、シンリンオオカミ、マヌルネコ、ホッキョクギツネなどの陸上動物から、ゴマフアザラシなどの海生哺乳類、オウサマペンギンをはじめとする極地ペンギンなど、多くの種類がいます。

では、どのように寒さに対応しているのでしょうか。主な手段は2つ、まずは毛です。毛がたくさん生えていることで、暖かな空気の層を作って外気を遮断します。水の中では、その密な毛で、皮ふがぬれるのを防いでいます。

もう1つの手段は、寒さに備えてしっかりと脂肪をためこむことです。脂肪を体内で分解すると、体温を保つことができます。ただ、だからといって活発に活動しているかは別問題。種による過ごし方のちがいがあるので、冬はそこに注目して観察してみるのも楽しいですよ。

丸まっているホッキョクギツネ

あさひやまニュース

「ペンギンの散歩」を実施中!

旭山動物園の冬の風物詩「ペンギンの散歩」。ペンギンたちの冬の運動不足解消を目的に始めました。そのため、散歩に出るのはペンギンたちの自由。行きたい個体だけが散歩に行きます。雪の上を散歩しているペンギンたちに、ぜひ会いに来てくださいね。

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!

質問

フラミンゴは飛べるんですか?

答え

フラミンゴは飛べます。ただ、飛び上がるためには長い助走を必要とするので、動物園で飛ぶことのできる施設は限られています。フラミンゴは非常に大きな群れを作って生活します。群れをなして飛ぶと、空は美しいピンクに染まります。ちなみに、水鳥なので泳ぐこともできますよ。

 


協力・監修:旭川市 旭山動物園

旭川市 旭山動物園
旭川市東旭川町倉沼
TEL. 0166-36-1104
http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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