【エコチル特集】豊かな生物多様性を守ろう!|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
北海道
特集
2025.04.14

【エコチル特集】豊かな生物多様性を守ろう!

目次 [非表示]

私たちは豊かな生物多様性により、さまざまなめぐみを受けています。今回は、生物多様性の大切さとそれを守るための取り組みについて見てみましょう。

失われつつある生物多様性

地球上には、人間や動物、植物の他に、目に見えない細菌など、約3000万種類の生き物が暮らしています。たくさんの生き物が、直接的・間接的につながりながら生きていることを「生物多様性」といいます。

私たちもたくさんの生き物とつながり、そして豊かな生物多様性に支えられた「生態系」がもたらすめぐみを受けています。そのめぐみを「生態系サービス」といい、4つに分類されます。くわしくは下表を見てみましょう。

「生態系サービス」は、私たちの生活に欠かせないものです。もしも生物多様性が失われてしまったら、そのめぐみを受けることはできません。生き物が1種類絶滅すると、どれだけの大切なつながりが失われるか分かりません。しかし、次のような原因により、生物多様性は失われようとしています。

❶ 開発や乱獲により、生き物の種類や、すむ場所が減っている
❷ 里地里山などの手入れ不足により、自然の質が低下している
❸ 外来種や化学物質などにより、生態系が破壊されている
❹ 地球温暖化により、地球環境が変化している

生物多様性を守るための 「ネイチャーポジティブ」

生物多様性を守るために、「ネイチャーポジティブ(自然再興)」という考え方があります。これは、「生物多様性が失われることを止め、回復するための軌道に乗せる」という考え方で、2030年までに達成するという目標が世界で掲げられています。

今の地球は、過去1000万年間の平均と比べて、10~100倍もの速さで生き物が絶滅しています。豊かな生物多様性を取りもどすためには、これまでのような自然環境保全の取り組みだけでは追い付きません。これからは、1人1人が生物多様性とのつながりを意識し、社会全体で生物多様性を豊かにしていくことが大切です。

【表】
豊かな生物多様性がもたらす

4つの生態系サービス

1. 基盤サービス
生き物が生きていくための基盤は、多くの生き物の営みにより支えられている。

【例】
・酸素を生む植物
・水循環のバランスを整える森林
・豊かな土壌

2.供給サービス
私たちの生活に必要なものを供給している。

【例】
・食料、衣類、木材など

3.文化的サービス
自然や生き物にふれることで、精神的にさまざまな影響を受けている。

【例】
・生活にうるおいをあたえる観光、文化、 デザインの素材など

4.調整サービス
私たちが安心して暮らせる環境を整えている。

【例】
・安全な水
・山地災害の軽減
・土壌流出の防止

自然豊かな北海道の自然公園を紹介

北海道には、特に優れた自然の風景がある地域として指定された7つの国立公園、5つの国定公園、11の道立自然公園があります。
ここでは、その中から4つを紹介します。ぜひ訪れて、豊かな自然とふれ合いましょう。

最も原生的な自然環境が残る
日高山脈襟裳十勝国立公園

海から山岳まで連続した南北およそ140kmにおよぶ日高山脈を中心とした日本最大(陸域)の国立公園。

[ 地域 ]
日高・十勝管内(帯広市、日高町、平取町、新冠町、浦河町、様似町、えりも町、新ひだか町、清水町、芽室町、中札内村、大樹町、広尾町)

日本最北の国立公園
利尻礼文サロベツ国立公園

山岳、花畑、海食崖、湿原、海岸砂丘など、変化に富んだ景観をほこる国立公園。

[ 地域 ]
宗谷管内(稚内市、幌延町、豊富町、礼文町、利尻町、利尻富士町)

大小百数十の小島がうかぶ
大沼国定公園

駒ヶ岳を中心に、大沼などの湖沼をふくむ、北海道にはめずらしい繊細な箱庭的風景が特色。

[ 地域 ]
渡島管内(七飯町、鹿部町、森町)

広大で、水平的な北海道らしい景観
野付風蓮道立自然公園

野付半島・風蓮湖を中心に、海跡湖や砂丘、森林、湿原などからなる道東らしい風景が特色。

[ 地域 ]
根室管内(根室市、別海町、標津町)

>>> 日本の国立公園」(環境省)
>>>「北海道の自然公園(自然環境課)」(北海道) をもとに(株)アドバコム作成

「自然共生サイト」
自然公園のように法律などによって保全されている地域の他、民間企業や地方公共団体等の取り組みによって生物多様性が保全されている場所が「自然共生サイト」として認定されています。道内では、令和6年度(2024年度)末までに歌才湿原など16カ所が認定されています。

毎年5月22日は「国際生物多様性の日」
「国際生物多様性の日」とは、国連が生物多様性問題に関する普及と啓発を目的として定めた国際デーです。毎年この日に合わせ、世界共通のテーマに沿って、世界各地でイベントが開催されます。

 


監修:北海道環境生活部自然環境局自然環境課

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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