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生物多様性とは、私たち人間をはじめ全ての生き物がおたがいに支え合って生きているということ。豊かな自然のめぐみをずっと守る ために、私たちにできることを いっしょに考えてみましょう。
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©環境省 |
「だいだらポジー(DAIDARAPOSIE)」
日本各地で山や湖、川を作ったとして伝承されている巨人「だいだらぼっち」がモチーフで、地球のポジティブな未来をだきしめて見守り続けるキャラクター。
全ての生き物がつながり支え合って存在している
地球には、目に見えない細菌からゾウのような大きなものまで、3000万種類もの生き物がいるといわれています。全ての生き物は長い歴史の中、異なる環境の下で進化してきました。昆虫、鳥類、ほ乳類、植物、そしてバクテリアも、お互いにつながり、さまざまな形で支え合ってきたからこそ、私たちは存在しているといえます。このことを生物多様性と呼びます。
生物多様性条約では、「多様性」には3つのレベルがあるとしています(図1)。森林や里地里山などの「生態系」、動植物から微生物などのさまざまな「種」、そして「遺伝子」の3つです。木は花や実を付け、それらはかれて地面に落ちます。生き物たちが落ちた物を食べ、生き物たちのふんが木の栄養となって、生態系に戻ります。全ての生き物はおたがいに支え合いながら生きているのです。
[図1]
3つのレベルの多様性
生態系の多様性
森林、里地里山、河川、湿原、干潟、サンゴ礁などいろいろなタイプの自然があります。
種の多様性
動植物から細菌などの微生物まで、いろいろな生き物がいます。
遺伝子の多様性
同じ種でも異なる遺伝子を持つことにより、形や模様、生態などに多様な個性があります。
世界的な目標30by30目標とは?
私たち人間も、水や空気、食料など、さまざまな生物多様性のめぐみを受け取っています。しかし、近年、絶滅の危機にある生き物の増加、外来種の持ちこみによる生態系の乱れなどにより、「生物多様性が危ない」と叫ばれています。
2022年12月の「昆明・モントリオール生物多様性枠組」では「30by30目標」という世界的な目標がかかげられました。さらに、2030年までに生物多様性の損失を止めて、回復させていく「ネイチャーポジティブ」という考え方も打ち出されています。今の地球は、ものすごい速度で生き物が絶滅しているなど「ネガティブ」の状態にあります。これを2030年までに生物の種の数が回復していくなど「ポジティブ」な状態にしていくために、生態系が豊かになるような経済活動へ切りかえていく取り組みです。図2で、「30by30目標」についてくわしく見てみましょう。
【図2】
30by30目標が目指すもの
30by30目標とは、2030年までに陸と海の30%以上を保全する目標です。それにより健全な生態系を回復させて、豊かなめぐみを取り戻します。国立公園などの保護地域を拡張し、その他の地域でも、力を合わせて守っていきます。
下の図は、目標達成に向けた行程と具体策についてまとめたロードマップです。人と自然との結びつきを取り戻すことをキーメッセージに、達成を目指していきます。
私たちには何ができるかな?
「MY行動宣言」をして、生物多様性を守ろう!
生物多様性にふれて、身近に感じてみる。それが、生物多様性を守るための第一歩。「MY行動宣言」は、「生物多様性を守り、そのめぐみを受けつぐために、私たちにできること」を宣言し、行動することです。
生物多様性のめぐみを受け続けられるように、次の5つの中からできることを選んで、「MY行動宣言」として宣言し、生物多様性を守るために行動しましょう!
MY行動宣言5つのアクション
監修:環境省 自然環境局 自然環境計画課 生物多様性主流化室

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。