【ふじのくに地球環境史ミュージアムだより】日本最大級の水生カメムシ「タガメ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
静岡
動物園だより
2025.04.08

【ふじのくに地球環境史ミュージアムだより】日本最大級の水生カメムシ「タガメ」

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今月のどうぶつ:タガメ

学名: Kirkaldyia deyrolli
カメムシ目 コオイムシ科
生息地:北海道、本州、四国、九州、南西諸島など/東アジア~東南アジア

体長は5~6.5cm程度で、茶褐色から黒褐色の体色に大きな前脚を持つ。

日本最大級の水生カメムシ

タガメは漢字では「田亀」と書き、田んぼにすむカメムシという意味です。カメムシの仲間は、口が針のようにつきさす形になっています。大きな前脚でカエルやオタマジャクシ、魚などをつかまえ、消化液を口から注入して肉をとかして、えさをとります。

タガメは日本で二番目に大きなカメムシの仲間で、水生昆虫の中でも二番目の大きさです。日本で一番大きいものは、沖縄県与那国島だけにすんでいるタイワンタガメです。タイワンタガメは、東南アジアではご馳走で、市場で売られています。バナナのような香りがするため、ハーブのように使われています。

ミャンマーの市場で売られるタイワンタガメ

絶滅危惧種を守れ!

タガメはかつて日本全国の田んぼや溜池などに普通に見られたようですが、農薬に弱く1960年ごろから、各地で減少してしまいました。すでにタガメが消えてしまった都府県がいくつもありますが、静岡県では浜松市の一部地域に、タガメが生き残っています。農業用の溜池にすんでおり、池が古くなって堤防がこわれそうな場所で生育しています。

昨年にはクラウドファンディングで費用が集められるなど、何とか生息場所を守ろうという取組が行われています。いつまでもこのタガメが暮らせる環境を残していきたいものです。

浜松市内のタガメの生息地

ふじのくに地球環境史ミュージアムだより

図鑑カフェ

最新の図鑑や絵本など、自然や生物に関する図書が800冊以上並んでいる図鑑カフェは、ミュージアムおすすめの場所です。高校校舎時代の職員室を改修した部屋には、リラックスできるソファがそろえてあります。窓から見える美しい駿河湾をながめながら、本との出会いを楽しんでみませんか。ドリンクも充実しています。


写真提供:ふじのくに地球環境史ミュージアム

協力・監修/ふじのくに地球環境史ミュージアム
静岡県静岡市駿河区大谷5762
TEL:054-260-7111
HP:https://www.fujimu100.jp/

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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