【マリンピア日本海だより】巣をつくる魚「トミヨ属淡水型」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
新潟
動物園だより
2025.03.10

【マリンピア日本海だより】巣をつくる魚「トミヨ属淡水型」

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今月のどうぶつ:トミヨ属淡水型

学名:Pungitius sp.1
トゲウオ目 トゲウオ科
生息地:水温変化が少ないわき水池などの淡水環境

トミヨと同様のトゲウオ科で、新潟市で絶滅危惧I類となっているニホンイトヨ。

巣をつくる魚

トミヨ属淡水型やニホンイトヨなどのトゲウオ科の魚は、巣を作る魚として知られています。巣を作るのはオスで、水草を使って球状またはトンネル状の巣を作ると、そこへメスを誘導します。メスが巣の中に産み落とした卵を守るのも、オスの役割です。

しかし、野生下でこのような巣を見ることはめったにないでしょう。それは、流れがおだやかで水のきれいな環境を好むトゲウオ科の魚は、土地開発などのえいきょうを受けやすいからです。中でも全長5㎝のトミヨ属淡水型は、新潟市のレッドデータブックでは絶滅となっています。

巣作りの様子

水族館内外の保全活動

かつて、トミヨ属淡水型は新潟市にも生息していましたが、道路の整備や工場の排水などが原因で、市内で生息できる環境がなくなりました。マリンピア日本海のにいがたフィールドでは半自然的な環境下で毎年はんしょくに成功し、絶滅から守る「生息域外保全」を行っています。

県内の保全団体が実施する「生息域内保全」の活動にも協力しています。具体的には、新潟県内のNPO法人などの保全団体と協力して、調査や地域住民に向けた生き物解説などをしています。トミヨ属淡水型のようにきれいな水に生息する生き物の存在を知ることが人々の環境に対する意識の向上にもつながります。

トミヨ属淡水型の生息地

マリンピアニュース

企画展示
にいがたの潟と水生生物

「ラムサール条約自治体」認証を受けた新潟市の越後平野にある潟が、どうやってできたかを知っていますか? その成り立ちやそこに生息する魚類から昆虫類までをふくむ多様な水生生物など、潟に関する情報を解説パネルと生体展示を用いて3月15日(土)から6月15日(日)まで、本館1階の企画展示室で紹介します。


写真提供/新潟市水族館マリンピア日本海

協力・監修/新潟市水族館マリンピア日本海
〒951-8555 新潟市中央区西船見町5932-445
TEL 025-222-7500
https://www.marinepia.or.jp/

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