【エコチル特集】どうしてなるの?どうすれば予防できるの?花粉症対策について考えよう|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
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2025.03.10

【エコチル特集】どうしてなるの?どうすれば予防できるの?花粉症対策について考えよう

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多くの人をなやませ続けている花粉症。この社会問題を解決するために、日本政府は対策を実行しています。今回は、花粉症対策について見ていきましょう。

花粉症って何でなるの?どうしたら防げるの?

花粉症は花粉に対するアレルギーです。花粉が体内に入ると、体がそれを異物とみなして、それに対する抗体を作ります。人それぞれちがいますが、数年から数十年かけて花粉をくり返しあびて、抗体の量が増えると、くしゃみや鼻水、目のかゆみや涙目などの花粉症の症状が出てくるようになります。花粉症になっていない人は、花粉をできるだけさけることで、将来、花粉症になることをおくらせることが重要です。

花粉が多くなる時期は、花粉の種類によって異なりますが、スギ花粉は2~4月に飛散します。昼前後と夕方に多く飛び、晴れて気温が高い日や空気が乾燥して風が強い日、雨上がりの翌日は、特に多くなります。

下の表にあるように、花粉症を予防するためには、いくつかのポイントがあります。花粉をさけるために、顔にフィットするマスクやメガネを着けたり、花粉が多く飛散する時間帯の外出をさけたりすること。また、花粉を室内に持ちこまないようにするために、花粉が付きにくい服装を心がけ、手洗い、うがい、洗顔などをして花粉を落とすようにしましょう。

*抗体とは、細菌やウイルスと戦って体を守ってくれる、人間の体の中で作られる物質のこと。

花粉症対策
政府がかかげる3本柱

日本政府は、花粉症対策として3つの柱をかかげています。1つ目は発生源対策、2つ目は飛散対策、3つ目は発症・曝露対策です。

発生源対策として、令和15年度(2033年度)までに、花粉の発生源となる人工林を約2割減少させることを目標として、スギ人工林の伐採、植えかえなどを推進しています。これにより、将来的には花粉発生量を今の半分にすることを目指しています。飛散対策としては、民間事業者等が花粉飛散量の予測を行うことを支援したり、スギ花粉防止剤の開発を進めたりしています。発症・曝露対策は、アレルゲン免疫療法や花粉症対策製品の普及を広めることなどに力を入れています。

図1
花粉はいつ多くなるの?

晴れて、気温が高い日

空気が乾燥して、風が強い日

雨上がりの翌日

図2
花粉症はどうしてなるの?

  • 体の中に花粉(抗原)が入ると、それに対する抗体が作られます。
  • 花粉が鼻や目に何度も侵入し抗体量が増えると、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどのアレルギー症状が出るようになります。

図3
花粉症有病率

花粉症の有病率は、約10年ごとに10ポイント程度ずつ増加しています。

出典:松原篤 他 日本耳鼻咽喉科学会会報123-487図2(許可を得て改変)
参考:環境省、厚生労働省『花粉症対策 スギ花粉症について日常生活でできること』

どうすれば花粉症を予防できるの?

①花粉をさけましょう

  • 顔にフィットするマスク、メガネを着けましょう
  • 花粉飛散の多い時間帯(昼前後と夕方)の外出をさけましょう

②花粉を室内に持ちこまないようにしましょう

  • 花粉が付きにくく露出の少ない服装を心がけましょう
  • 手洗い、うがい、洗顔、洗髪で花粉を落としましょう
  • 換気方法を工夫しましょう
  • 洗濯物や布団の外干しをひかえましょう

花粉症の治療法は?

①対症療法

内服薬、点鼻薬、点眼薬、それぞれ組み合わせて、花粉症による症状をおさえるための治療法です。

②免疫療法(アレルゲン免疫療法)

スギ花粉の成分がふくまれた薬剤を定期的に投与します。花粉の成分に体がなれるようにして、スギ花粉が体内に入って来てもアレルギー反応が発生しないようにするための治療法です。

政府の花粉症対策3本柱

日本政府は、花粉症の発生源対策として 3つの柱をかかげ、推進しています。

【発生源対策】

  • スギ人工林の伐採・植えかえなどの加速化
  • スギ材需要の拡大 花粉の少ない苗木の生産拡大
  • 林業の生産性向上および労働力の確保

【飛散対策】

  • スギ花粉飛散量の予測精度向上支援
  • スギ花粉の飛散防止

【発症・曝露対策】

  • 花粉症の治療(治療薬の増産、研究開発など)
  • 花粉対策の認証制度や製品の普及・啓発
  • 花粉症予防行動を広める、企業などの取組推進

10年後、花粉発生源のスギ人工林を約2割減少、将来的(約30年後)には、 花粉発生量の半減を目指しています。

環境省では花粉症対策として、花粉飛散量の観測、民間事業者等の予測支援、花粉症予防行動の周知等を実施しています。

>>>環境省・花粉症情報サイトこちらからチェック


監修:大臣官房環境保健部 企画課 熱中症対策室

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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