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自然豊かな北海道は、再エネをつくり出すポテンシャル(可能性)が全国トップレベル。中でも、海上で電気をつくる「洋上風力発電」が注目されています。今回は、「ゼロカーボン北海道」のカギとなる「洋上風力発電」について見てみましょう。
北海道は環境に優しい「再生可能エネルギー」の宝庫
北海道では、生活や自然環境に深刻な影響をあたえる地球温暖化を防止するために、「ゼロカーボン北海道」(図1)を進めています。地球温暖化の原因となるCO₂などの温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組みです。
「ゼロカーボン北海道」を進めるためのカギとなるのが、太陽光や風力等の自然の力を使って電力を生み出す再生可能エネルギー(再エネ)です。再エネは温室効果ガスを排出しないクリーンなエネルギーです。自然豊かな北海道は、再エネをつくり出すポテンシャル(可能性)が全国トップレベル。中でも、強い風が吹く北海道は、風力発電に最も適した地域として注目されています。
【図1】「ゼロカーボン北海道」とは?
大量の電力をつくれる「洋上風力発電」
風力発電には、風車を陸に設置する「陸上風力発電」と、海上に設置する「洋上風力発電」があります。今後、再エネを主力電源とする方法の1つとして、大量の電力を供給できる「洋上風力発電」が、北海道だけでなく世界的にも注目されています。
「海の上に風車!?」とおどろくかもしれませんが、現在、石狩湾新港の港湾区域内に国内最大級の洋上風力発電施設があり、2024年から運転を開始しています。高さ約196m、羽の長さ約82mの大型風車が14基設置され、年間で約8万3000世帯分を発電できる能力を持っています。また、陸上よりも大型の風車を使用しているため、より大量の電力を発電できます。
洋上風力発電って?
洋上風力発電とは
海上に風車を設置し、風の力を利用して風車を回転させて発電する方法
【設置方法】
着床式風車
● 海底に直接固定された風車
● 水深が浅い海域での設置に向いている
浮体式風車
● 海面に船のように浮かべた台に設置された風車
● 流されないように海底につなぎとめられている
● 水深50m以上の深い所でも設置できる
【設置場所】
❶ 一般海域(国土交通省が指定する海域で、港湾区域や漁港区域などの指定を受けていない海域)
❷ 港湾区域(港湾法に基づき、港湾管理者が管理する海域)
【洋上風力発電のメリット】
● 陸上に比べて強い風が吹くため、効率的に発電できる
● 山や谷などの障害物が少ないため、安定した発電が可能
● 洋上は障害物がないため、大型のの風車を設置しやすい
● 一般的に、陸上風力発電に比べて騒音や景観への影響が少ない
● 海中に設置された風車の一部が魚のすみかになり、新たな漁場になったという報告もある
エネルギーの地産地消で地域を元気に!
北海道の一般海域では、日本海側の5つの区域が「有望区域」(図2)として、洋上風力発電の導入が検討されています。洋上風力発電が進むと、風車の建設やメンテナンスが、地域に産業や雇用を生み出し、風車のある風景が観光資源になるなど、地域の活性化につながります。また、あわせて発電した電気をたくさん使うデータセンターなどを近くに建てて電気を送れば、エネルギーの地産地消にもつながります。
ただし、海には多くの生き物が生息しているため、導入する際には環境への影響を十分に考えなければなりません。野生生物や漁場を守り、地域の方の理解も得ながら進める必要があります。
現在、日本はエネルギーの大部分を輸入化石燃料にたよっています。しかし、持続可能な社会を目指すためには、再エネへの転換が必要です。その切り札となる「洋上風力発電」に、みなさんも注目してみてください。
【図2】
「知るほど!なるほど!北海道」
[テーマ]
北海道だからやる! できる! ゼロカーボン北海道(令和5年10月28日放送)
タレントの上杉周大さんが、石狩湾新港にある国内最大規模の洋上風力発電施設などを紹介しています。
令和7年度
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監修:北海道経済部ゼロカーボン推進局ゼロカーボン産業課

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