【京都大学白浜水族館だより】砂にもぐってじっと待つ魚「メガネウオ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
和歌山
動物園だより
2025.03.10

【京都大学白浜水族館だより】砂にもぐってじっと待つ魚「メガネウオ」

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今月のどうぶつ:メガネウオ

学名:Uranoscopus bicinctus
スズキ目 ミシマオコゼ科
生息地:千葉県以南の太平洋沿岸、富山湾、琉球列島、朝鮮半島南岸、台湾、南シナ海~オーストラリア北西岸

上を向いた大きな口を持ち、平らな頭部背面に眼があるメガネウオは、頭だけを見ると魚とは思えない姿をしています。大きな頭はとてもかたく、〝えらあな〟(えらの後方にある水の排出口)の上部には毒はありませんが、大きなとげがあります。

砂にもぐってじっと待つ魚

メガネウオは砂底を好んで生息し、体を左右にふって器用に砂にもぐっていきます。砂にもぐると眼と口だけを砂から出して、えさとなる小さな動物が近づいて来るのをじっと待ちます。運悪く近づいて来た動物は一瞬で丸飲みにされてしまいます。上を向いた口や背面に眼がある理由は、砂にもぐって獲物をじっと待ち捕食するのに適した形なのです。

下あごにはオレンジ色の長い帯状の皮弁があり、この皮弁を口の外に出して細かく動かすと、まるでゴカイが海底で動いているように見えます。この様子に興味を持って近づいてきた動物を丸飲みします。下あごの皮弁は、獲物をおびき寄せるための疑似餌として使っています。

疑似餌を使って獲物をさそいます

星を見つめる魚

メガネウオは眼の周りが高く盛り上がり、メガネをかけているように見えることから、この名前が付けられたといわれています。英語圏では、メガネウオをふくめたミシマオコゼ科の魚を“stargazer”と呼んでいます。

“stargazer”とは、日本語で「星を見つめる人」や「天文学者」と訳され、砂にもぐりじっと上を見つめる仕草から名付けられたと考えられます。日本では姿形から、英語圏ではその仕草から名前が付けられるというちがいもおもしろいですが、「星を見つめる魚」とは素敵な名前だと思いませんか。水槽の中でも砂にもぐってじっと上を見つめる様子を観察できます。

この大きな口で丸飲みにしてしまいます

京都大学白浜水族館ニュース

新入り生物(227号水槽)

白浜水族館にウミウシの仲間であるニシキウミウシがやって来ました。ニシキとは美しいものを指すときに使う言葉ですが、ニシキウミウシも名前の通り、オレンジ、むらさき、ピンクや黄色などカラフルな模様をしています。水槽の中をゆっくりと移動する様子はかわいいですよ。


写真提供/京都大学白浜水族館

協力・監修/京都大学白浜水族館
〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町459
TEL 0739-42-3515
https://www.seto.kyoto-u.ac.jp/shirahama_aqua/

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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