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今月のどうぶつ:ホオアカトキ
学名:Geronticus eremita
ペリカン目 トキ科
生息地:モロッコ、トルコ
~野毛山動物園のホオアカトキ~
野毛山動物園では2羽のホオアカトキを飼育しており、その内1羽はクチバシが折れてしまっており、自力で採食できません。そのため、飼育員が毎日手でえさをあげており、気づいたらもう1羽も手からえさをもらいに来るようになりました。2羽のやり取りや飼育員との関係性も見ていただけるとおもしろいかと思います。
ホオ(頬)が赤いトキでホオアカトキ
一見グロテスクな見た目をしていますが、決してストレスなどで頭の羽が抜けてしまったわけではありません。れっきとしたハゲトキ属でトキの仲間です。英名はNorthern Bald Ibisで、はげたトキという意味です。トキ類は約30種いるといわれており、そのほとんどは水辺に生息する水鳥ですが、ホオアカトキは乾燥地帯に生息しています。翼や背中は、光沢を帯びた紫にも黒にも見えるきれいな羽を身にまとっています。
カメラをねらって一つき
野生では絶滅した?
ホオアカトキは一時期絶滅寸前の種類でした。かつて北アフリカからアラビア半島を中心にヨーロッパの方まで分布していましたが、現在ではモロッコにそのほとんどが生息しており、東の個体群はトルコの方に少数生息するのみです。
近年では現地での保護活動や動物園で増えた個体の野生復帰の成功で、少しずつ個体数は回復傾向にありますが、それでも個体数はまだまだ少ないままです。
これは日本人にとっても他人事ではありません。かつて日本でもよく見られていたトキが絶滅してしまい、現在佐渡島を中心に保全活動が行われています。身近に生息する鳥を当たり前の存在と思わず、大切にしていくことが重要です。気づいたときにはもう手遅れになっているかもしれません。
ヨーロッパの動物園では野生復帰事業を行っています
のげやまニュース
動物たちのSOS展開催
3月1日(土)から、第20回動物たちのSOS展~守ろう生物多様性~を開催します。パネル展は31日(月)まで開催します。さらに、8日(土)と9日(日)は野生動物の保全などに取り組んでいるさまざまな団体と園内でイベントを行います。動物たちがかかえている問題を知って、自分たちには何ができるのかいっしょに考えてみませんか?
写真提供/野毛山動物園
協力 ・ 監修/野毛山動物園【指定管理者 公益財団法人横浜市緑の協会】
〒220-0032 横浜市西区老松町63-10
TEL 045-231-1307
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