【上野動物園だより】ブラッシングのおどろきの目的とは?「アメリカバク」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
東京
動物園だより
2025.03.03

【上野動物園だより】ブラッシングのおどろきの目的とは?「アメリカバク」

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今月のどうぶつ:「アメリカバク」

学名:  Tapirus terrestris
分類:奇蹄目 バク科
生息地:南アメリカ大陸の熱帯雨林の水辺

上野動物園で見られる南アメリカの動物

オニオオハシ
学名:Ramphastos toco

グリーンイグアナ
学名:Iguana iguana

健康のために

上野動物園では、動物の健康管理のためにさまざまな取組をしています。アメリカバクに対して行っていることの1つが、ブラッシングです。「ブラシをかけても、気持ちいいだけでは?」と思う人も多いでしょう。しかしこれは、採血や蹄の確認を目的とした健康管理のためのトレーニングなんです! 上野動物園のバクは、こしのあたりを軽くもむと、おすわりの状態になります。ここでブラシをかけ、バクがさらに横向きに寝転がると見える後ろ足の内側の太い血管から採血を行うことが、現在の目標です。

採血などを目的としたブラッシング
※安全のため複数の職員で実施します

バクは夢を食べるまぼろしの動物?

夢を食べるのは想像上の動物“獏”、しかし上野動物園にいるのは草食獣の“アメリカバク”。この2つは全く別の存在です。そんな伝説の生物とまちがわれがちなバクですが、森林破壊や密猟などによって絶滅の危機にさらされています。

例えば、生息地の1つであるブラジルの草原地帯では大豆の栽培のために大規模な開発が行われ、さまざまな動物のすむ豊かな自然が農場へと姿を変えていっています。そこで作られた大豆の中には、私たちの食卓にのぼるものも。

未来のバクがまぼろしの動物となってしまわないように守っていくためには「普段食べている物はどこから来ているのだろう」と考え、食べ物をむだにしないことが大切な第一歩です。

後ろ足の内側の血管

うえのニュース

「モルモットとなかよし」実施中!

モルモットの祖先として考えられている野生のテンジクネズミもアメリカバクと同じ南アメリカ大陸の動物です。

子ども動物園すてっぷでは、楽しい動画で学んだ後に間近で観察しながらモルモットとなかよくなる体験プログラム「モルモットとなかよし」を平日の午後に実施しています(予約制)。


写真提供:公益財団法人東京動物園協会

恩賜上野動物園
東京都台東区上野公園9−83
TEL.03-3828-5171
https://www.tokyo-zoo.net/zoo/ueno

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エコチル編集部

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