【旭山動物園だより】身近な野生動物「キタキツネ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
北海道
動物園だより
2025.02.10

【旭山動物園だより】身近な野生動物「キタキツネ」

目次 [非表示]

旭山動物園の獣医師・佐藤伸高さんが、動物や動物園、自然について紹介するコーナーです。

今月のどうぶつ:キタキツネ

食肉目 イヌ科
【生息地】 北半球、北海道

旭山動物園では、オス1頭を飼育しています。

身近な野生動物キタキツネ

キタキツネは、北半球に広く生息するアカギツネの亜種で、日本では北海道にだけ生息しています。本州以南に生息するホンドギツネよりも体が大きく、耳の裏と足の先端が黒いのが特徴です。

北海道に広く分布し、比較的都市の近くにも生息しているため、とても身近な野生動物です。元々は夜行性と考えられていますが、ヒトの近くでは日中も活動します。肉食で、主にネズミや昆虫、魚など、いろいろなものを食べます。特に聴覚が優れており、冬には雪の下にいるネズミの足音を聞き、頭から一気に雪にとびこんでつかまえます。

群れを作らず、1頭で暮らしていますが、繁殖のシーズンはオスとメスがいっしょに行動します。春に出産し、仔育てが終わった秋の終わりに親ばなれします。

足の先端が黒いキタキツネ

夏はほっそり冬はモコモコ

キタキツネは、暑い夏は毛がぬけてほっそりとしますが、冬は厳しい寒さに負けないように毛が増えてモコモコとした姿になります。夏になると動物園に「やせたキツネがいる。かわいそうだから保護してほしい」という電話が来ます。夏は病気だと思われるくらいやせているので、かんちがいされやすいのです。

動物園では、馬肉や鳥肉、シシャモなどをあたえています。朝方と夕方に展示場をウロウロしていることがありますが、日中は切り株の下の穴や草むらにかくれていることが多いです。

身近な動物ゆえにヒトとの間に問題も起こっています。ごみや畑をあらすため駆除されたり、交通事故により死んだりすることもあります。ヒトがえさをあたえることで、キツネがヒトをおそれなくなり必要以上に近づいてしまうことも問題です。改めて身近な動物との距離感についても動物園で知ってもらいたいです。

夏は毛がぬけてほっそり

冬は毛がモコモコであったか

あさひやまニュース

冬期開園中!

冬季開園は4/6(日)までです。厳しい寒さにも負けない動物たちの姿をぜひ見に来てください。(ペンギンの散歩は雪が少なくなったら終了します。)

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えます!

質問

肉食動物には主に何の肉をあげていますか?

答え

旭山動物園では、主に馬肉、鹿肉、鳥肉をあたえています。その他には、シシャモやホッケ、オオナゴ、ヤマメなどの魚をあたえています。


協力・監修:旭川市 旭山動物園

旭川市 旭山動物園
旭川市東旭川町倉沼
TEL. 0166-36-1104
http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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