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県の天然記念物「ギフチョウ」を知っているかな? 数が減ってきているギフチョウを守るために、神奈川県で行っている取組を紹介していくよ!
なぜ数が減っているの?
日本の固有種である「ギフチョウ」はアゲハチョウ科に属し、本州のみに生息するチョウだよ。中部地方より西が主な生息地だけど、秋田県、山形県、神奈川県の一部でも見ることができるよ。ただ、太平洋側では分布が限られ、絶滅も心配されている状況なんだ。
これは、ギフチョウのすむ場所が、住宅地などに開発されて無くなってしまったり、雑木林が管理されなくなって、ギフチョウの幼虫が食べるカンアオイ類の植物が減ってしまったりしたことが原因だといわれているよ。
「ギフチョウ」を守ろう!
神奈川県内では相模湖の南方に位置する石砂山でしか、ギフチョウを見ることができないんだ。ここに生息するギフチョウは、太平洋側の東限でかつ独特の形質を持つ個体群を形成していることから、貴重なものとされていて、その生息地とギフチョウが県指定天然記念物に指定されているよ。
また、ギフチョウの数が増えるかどうかは、ギフチョウの幼虫が食べるカンアオイが増えるかどうかに大きく左右されるため、その環境を保護していくことが重要で、神奈川県は保護活動に取り組んでいるよ。
ギフチョウは年に一度春に出現し、その美しい姿から「春の女神」といわれるほど、チョウが大好きな愛好家の間でとても人気があるんだ。そんな美しいチョウが絶滅しないよう、ギフチョウについて知り、みんなで守っていこうね!
ギフチョウについて知ろう!!
ギフチョウ
学名:Luehdorfia japonica
分類 : 昆虫網鱗翅目 アゲハチョウ科 大きさ(成虫・開張時) : 50〜55mm 特徴 : 日本固有種で、アゲハチョウ科の中では小型。羽の地色は黄色で、縦に黒の縞模様が入っていて、模様から、ダンダラチョウという別名を持つ。後ろ羽には、赤色、オレンジ色、青藍色のまだら模様がある。
ギフチョウが生息する「石砂山」ってどんな所?
丹沢山地の北部、相模湖の南側に位置する、神奈川県相模原市緑区にある標高578mの山で、藤野15名山に選ばれたよ。東海自然歩道が通っているから、初心者でも登りやすいんだ。関東百名山の1つ「石老山」が隣接しているよ。
石砂山/神奈川県相模原市緑区牧野 【アクセス】最寄り駅 中央本線藤野駅登山口までは車で
石砂山登山では、ここに注意!!
- ごみは持ち帰ろう
- ギフチョウの幼虫が食べる カンアオイを ふまないようにしよう
- 花をつんだり、ふんだりしないようにしよう
- チョウや卵にさわらないようにしよう
数が少なくなってきた
「ギフチョウ」を守ろう!!
ギフチョウを守るため、神奈川県が行っている取組を紹介するよ!
どういったことを行っているの?
平成元年に結成された「しのばらギフチョウの会」と行政職員とで、県指定天然記念物であるギフチョウが産卵し、卵がかえる3~5月の間、卵のふみ付け事故などを防ぐため、特設テントを設置してパトロールしているんだ。
カンアオイは小さな株が復活し、その裏に産卵が確認できたよ
カンアオイの成長をうながすため、間伐を行っているよ
現場からの声
- 年々の気候変動の影響で、卵からふ化しても、えさになるカンアオイの減少、シカの食害を受け、成虫になる確率が減少している
- 間伐はギフチョウ保全には効果があるが、尾根を風がふきぬけ、倒木を誘発する副作用もあるのでバランスのとり方が難しい
- これからもギフチョウが多くの人たちの目で見ることができるように、マナーとルールを守ってほしい
協力 : 神奈川県自然環境保全課
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。