【和歌山県立自然博物館だより】きれいな川の中に生息するヒメドロムシの仲間「ホソヒメツヤドロムシ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
和歌山
動物園だより
2025.02.10

【和歌山県立自然博物館だより】きれいな川の中に生息するヒメドロムシの仲間「ホソヒメツヤドロムシ」

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今月のいきもの: ホソヒメツヤドロムシ

学名:Zaitzeviaria gotoi
コウチュウ目 ヒメドロムシ科
生息地:北海道/本州/四国/九州/千島列島 /隠岐/南西諸島(種子島)

和歌山県では全県的に分布し、山地の上流域から低地の中流域まで広い環境で見られます。体長は1 ㎜程度で、国内に分布するヒメドロムシの仲間でも最小クラスです。本種は紀見峠で得られた個体を基に1959年に記載されたヒメドロムシであり、和歌山県にゆかりのある種です。写真の個体は羽化直後と思われ、体が少し赤みがかっています。

きれいな川の中に生息するヒメドロムシの仲間

みなさんは、〝ヒメドロムシ”という水生昆虫をご存じでしょうか? ヒメドロムシとはコウチュウ目・ヒメドロムシ科に属す〝真水生”の昆虫で、国内からは18属62種2亜種が知られています。〝真水生昆虫”とは何かというと、ゲンゴロウやタガメなどが代表的な、一生のうちのほとんどを水中・水面で過ごす昆虫のことを指します。

ヒメドロムシの最大の特徴は、その大きさ・見た目です。国内におけるほとんどの種が1~3㎜ほどの大きさで、最大種でも6~7㎜程度のとても小さな昆虫です。

特徴的なあしとつめを持ち “清流の妖精”と呼ばれることも

ヒメドロムシは、石や植物の上で生活しているため、昆虫の中でもとても発達したあしとつめを持っています。また、種によって色や模様・形もさまざまです。これらの要素から〝清流の妖精”と呼ばれることもあります。

今回紹介したヒメドロムシの仲間は少し自然度の高い川であれば、身近な川にもひそんでいます。とても小さく、マイナーな水生昆虫ですが、調べてみるといつも見ていた身近な自然の中から大発見があるかもしれません。

あしとつめが発達しているクモガタヒメドロムシの仲間(左)とアヤスジミゾドロムシの仲間(右) (両種ともマレーシア産)

A.アマミヨコミゾドロムシ(奄美大島産)、B.キスジミゾドロムシ(和歌山県産)、C.ハバビロドロムシ (鹿児島県産)、D.ミゾツヤドロムシ(和歌山県産)、E.ツブスジドロムシ (鹿児島県産)、F.ハガマルヒメドロムシ(福岡県産)

和歌山県立自然博物館ニュース

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3月16日(日)に湯浅町にて開催するこの行事は、約1億3000万年前の海にいたアンモナイトなどの化石探しを行うというロマンあふれるものです。過去には新種のエビの化石が発見されたこともあり、もしかすると大発見があるかも? 参加者募集中です。くわしくは当館ホームページをご覧ください。

 


写真提供・協力・監修:和歌山県立自然博物館

和歌山県立自然博物館
〒642-0001 和歌山県海南市船尾370-1
TEL 073-483-1777
https://www.shizenhaku.wakayama-c.ed.jp/

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