【京都大学白浜水族館だより】枝分かれしたうでと腹側にある口が特徴的「サメハダテヅルモヅル」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
和歌山
動物園だより
2025.01.22

【京都大学白浜水族館だより】枝分かれしたうでと腹側にある口が特徴的「サメハダテヅルモヅル」

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今月のどうぶつ:サメハダテヅルモヅル

学名:Astroboa arctos Matsumoto, 1915
ツルクモヒトデ目 テヅルモヅル科
生息地:相模湾以西

不思議な姿をしたテヅルモヅルの一種であるサメハダテヅルモヅルは、これでもウニやヒトデなどに近い動物です。植物のようなうでをのばして、海中のプランクトンなどをつかまえて食べています。

枝分かれしたうでと腹側にある口が特徴的

テヅルモヅルはウニやヒトデに近い、クモヒトデという生き物の仲間です。植物のように分かれたうででプランクトンなどのえさをつかまえ、腹側にある口に運んで食べます。時には、小型の魚などの大きなものをつかまえて食べることもあるようです。このため、普通はイセエビをつかまえるためのあみにからまって採集されることが多いのですが、ウツボなどをつかまえるための「はえ縄漁」の針にかかった所をつかまえる場合もあります。ヒトデのように5本あるうでの先は細かく枝分かれしており、それぞれ独立して動かすことができます。

昼間は岩のかげなどにかくれていることが多く、夜になると出て来て、潮通しのよい所でうでをのばしています。大きい個体なら、うでの長さは30㎝ほどの大きさになります。

腹側(中央の星マークが口)

子どもを守っている?えさを横取りしている可能性も

イセエビ漁のあみにテヅルモヅルの仲間がよくかかるのですが、ときどき大きなテヅルモヅルに小さなテヅルモヅルがくっついていることがあります。大人のテヅルモヅルが子どもを守っているのではないか、という説もありますが、種類の異なるテヅルモヅルがくっついていることも多いため、小型の個体が大型の個体に付着して、えさを横取りしている可能性も指摘されています。

サメハダテヅルモヅルにくっついた小さなテヅルモヅル

京都大学白浜水族館ニュース

イベント情報「水族館の飼育体験」

水族館の裏側に入って、水槽の水のじゅんかんシステムを見学し、魚のえさやりなど、水族館の飼育係の仕事を体験できます。3月1日(土) 13:30~15:30開催。入館料および傷害保険料は100円です。直前の火曜日までにホームページにてお申し込みください。定員になり次第、申し込みは終了します。


写真提供/京都大学白浜水族館

協力・監修/京都大学白浜水族館
〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町459
TEL 0739-42-3515
https://www.seto.kyoto-u.ac.jp/shirahama_aqua/

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