【相模川ふれあい科学館だより】体長7㎝以下の小さなザリガニ「ニホンザリガニ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
相模原
動物園だより
2025.01.08

【相模川ふれあい科学館だより】体長7㎝以下の小さなザリガニ「ニホンザリガニ」

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今月のいきもの : ニホンザリガニ

学名: Cambaroides japonicus
十脚目 アジアザリガニ科
生息地:北海道、本州(東北地方の一部。移入地をふくむ)

開催中の『渓流展~川がはじまるところ~』 から、注目の生き物を紹介します!

体長7㎝以下の小さなザリガニ

日本に在来分布する唯一のザリガニで、1年を通して水が冷たく(20℃以下)、きれいな川の上流域に生息しています。落ち葉が積もった下から冷水が染み出しているような湿地にもいます。主食は広葉樹の落ち葉で、ミミズなどの動物質も食べます。

秋の終わりに交尾し、メスはお腹の下に精子のかたまりが付いた状態で越冬します。翌春に卵から生まれた稚エビは、しばらく親のお腹の下で保護され、ある程度育ってから独立します。飼育下での繁殖は難しく、日本各地の水族館が努力しています。

大きさがこんなにちがう!ニホンザリガニ(右)とアメリカザリガニ(左)

昔はたくさんいたけど今では絶滅危惧種に

20世紀初頭まで、ニホンザリガニは北海道に数多く生息し、食用や民間薬に活用されました。その後、河川改修やペット用の乱獲、外来種の移入などで、急速に数が減少。水産庁と環境省が、絶滅の危険が増大している種に指定しました。また、最も南の生息地である秋田県大舘市は、ニホンザリガニを天然記念物としています。2022年には、環境省が「種の保存法」によって売買などを禁止しました。ただ、研究や飼育のための採集は認められています。今回『渓流展』で展示しているニホンザリガニは、東北地方の水族館が採取したものを一部ゆずり受けた貴重な個体です。

ニホンザリガニの生息地(落葉広葉樹林内の河川)

さがみはらニュース

好評開催中! 渓流がつなぐ命を知ろう

多目的室1で、冬季特別企画展『渓流展~川がはじまるところ~』が開催中! 川の始まりである渓流と、豊かな水環境を生み出す森。そこにすむ生き物を紹介します。アマゴ、アジメドジョウ、ナガレヒキガエルなど、26種(うち標本3種)の生き物が待っています!

◆3月9日(日)まで


写真提供・協力 ・ 監修/相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら

相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら

〒252-0246 神奈川県相模原市中央区水郷田名1-5-1
Tel.042-762-2110
https://sagamigawa-fureai.com

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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