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日本全国で問題になっている外来生物。どういった生き物が外来生物で、どのような問題を起こしているのかな? くわしく見ていくよ!
外来生物とは?
外来生物(外来種)とは、もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって他の地域から入ってきた生き物のことを指すよ。現在、日本には2000種類以上の外来生物がいるといわれていて、中には、たくさん増えてさまざまな問題を引き起こしている外来生物もいるんだ。
外来生物が引き起こす問題
外来生物が引き起こす問題は大きく分けて3つあるよ。
1つ目の問題は自然環境への影響だよ。外来生物がもともとその地域にいる生き物である在来生物(在来種)を食べたり、えさを横取りしたりすることで、在来生物の数をものすごく減らしてしまったり、もともとあった日本の自然を壊してしまったりするよ。
2つ目の問題は農林水産業への影響だよ。例えば、アライグマやハクビシンは、スイカやトウモロコシなど、さまざまな農作物を食べてしまい、大きな被害が出ているよ。クビアカツヤカミキリは、幼虫がウメやモモといった木を中から食べて枯らしてしまうんだ。
3つ目の問題は人の健康への影響だよ。例えば、ヒアリやセアカゴケグモ、キョクトウサソリなどは強い毒を持っているため、刺されたり、かまれたりしないように注意する必要があるよ。またアライグマなどは、人にもうつる病気を運ぶことが分かっているから、むやみにさわったりしてはいけないよ。
外来生物について考えてみよう!
外来生物は自分の意志で日本に来たわけでなく、貨物にまぎれたり、ペット目的で輸入されたりなど、人間の活動によって入ってきているんだ。外来生物問題をこれ以上悪化させないためには、悪影響を及ぼすおそれのある外来生物を「入れない」「捨てない(逃がさない、放さない)」「拡げない(増やさない)」の三原則を守ることが大切だよ。
そのためには、国や自治体だけでなく、民間企業やボランティア団体、研究者など、さまざまな人たちと協力して対策を行っていくことが必要だよ。
実は、全部外来生物なんです!!
アカゲザル | タイワンリス(クリハラリス) |
ヌートリア | ガビチョウ |
ブルーギル | ウシガエル |
アレチウリ | オオキンケイギク |
写真提供:環境省(上記全て)
東京都で確認された主な外来生物
東京都でも問題になっている 外来の動植物を見ていこう!!
クビアカツヤカミキリ
中国や朝鮮半島が原産でサクラやモモ、ウメ、スモモなどのバラ科樹木に寄生し、幼虫が樹の内部を食べて枯らしてしまうカミキリムシだよ。
写真提供:東京都 環境局
キョン
キョンは、もともと台湾や中国に生息。国内だと、伊豆大島や千葉県などに生息しているよ。また、伊豆大島では捕獲を強化した結果、キョンの数が減少傾向に!
写真提供:環境省
ナガエツルノゲイトウ
南米原産の多年草の水草で、根やくきの断片から再生するなど繁殖能力が高く、また耐塩性も高く、河川の河口域でも繁殖が可能。荒川沿いに生息が確認されているよ。
写真提供:環境省
アカミミガメとアメリカザリガニ
アカミミガメとアメリカザリガニについては、令和5年6月1日以降、野外への放出、輸入、販売、購入、頒布等を許可なしに行うことが禁止されたよ。現在飼育されている個体については、引き続き飼育できるけれど、絶対に野外に捨てたりしないで、最後まで飼い続けてね
写真提供:環境省
東京都公式動画 チャンネル「東京動画」でアカミミガメについて 学ぼう!
東京都に相談件数が多い
アライグマとハクビシンについて知ろう!!
アライグマとハクビシンは多様な環境で生息が可能で、高い繁殖力を持つなどの特徴があり、生息域が拡大した結果、さまざまな所で問題が起きているよ。
アライグマ
学 名:Procyon lotor
分 類:食肉目(ネコ目)アライグマ科
原産地:北アメリカから中央アメリカ
導入と分布拡大の経緯:ペット用に輸入された飼育個体がにげ出したり捨てられたりして国内で繁殖
体 長(成獣):40〜65 cm
体 重(成獣):3.5〜11.0kg
食 性:雑食性
生 活:夜行性。気性があらい。水辺を好み、河川や用水路、側溝などを移動経路として利用している。木登りが得意、柱に登る、前足が器用で触覚にも優れる
写真提供:環境省
ハクビシン
学 名:Paguma larvata
分 類:食肉目(ネコ目)ジャコウネコ科
原産地:東南アジアから中国南東部
体 長(成獣):40〜60 cm
体 重(成獣):2.0〜5.5 kg
食 性:雑食性。特に果実を好む
生 活:夜行性。水辺を好み、河川や用水路、側溝などを移動経路として利用している。木登りが得意、柱に登る、電線を伝い歩きする、8cm四方のすきまにも入りこむ
アライグマ・ハクビシンが引き起こす問題
・生態系被害:アライグマがトウキョウサンショウウオを捕食するなどの被害が
・生活環境被害:アライグマ・ハクビシン共に、家屋侵入による建物の破損、糞尿による汚損(特に天井裏)などの被害が大きな問題に
・農林水産業被害:アライグマ・ハクビシン共に、果樹や野菜、イモ類、飼料作物、マメ類を中心とした、さまざまな農作物に深刻な被害をあたえている
・人獣共通感染症:アライグマやハクビシンは、複数の人獣共通感染症を媒介する可能性があるといわれている
写真提供:東京都 環境局
今月の『わが家の環境局長』Vol.7
おうちの環境リーダーとして 活躍しているお友達を紹介するよ!
トキワ松学園小学校 3年生 O.E.さん
電気はどうやって作られているか知っていますか?多くは石油などの化石燃料を燃やして発電するので、温暖化や大気汚染の原因になっています。そして、化石燃料は地球に限られた量しか残っていません。夏休みの自由研究で「これからのエネルギー」を調べました。未来の地球のため、再生可能エネルギーは大切だとわかりました。
協力:東京都
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。