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私たちの生活は、森林、海、川などの自然と密接な関わりがあります。中でも、川はとても身近な自然ではないでしょうか。私たちの生活と自然の関係を知るために、まずは川の環境を調べてみましょう!
私たちの生活や生き物と さまざまな関わりを持つ“川”
私たちの身の回りには、船でわたるような大きな川から、家の近くの小さな川まで、いろいろな川があり、山の中や町の中など、流れる場所もさまざまです。また、川には、魚やカニ、昆虫、水草などの生き物が生息しています。水辺には、草や木が生え、鳥などの動物がやって来ます。
昔から、人々は漁業や農業で川を利用し、飲み水としても使ってきました。とうろう流しやお祭りが川で行われる地域もあります。このように、流れる水や景色、生き物、生活との関わりなど、川によってさまざまな特徴があります。みなさんの知っている川にはどんな特徴があるでしょうか?
5つのものさしで 川を調べてみましょう
環境省では、川の水、生き物、景色、普段の生活での利用など、川の環境を調べるための5つのものさし(水辺のすこやかさ指標)を設けています。左の表1にあるように、
❶自然な姿 ❷豊かな生き物 ❸水のきれいさ ❹快適な水辺 ❺地域とのつながり
の5つで、さらにそれぞれ3~5項目の指標に分けています。
下の表2では、調査の仕方をくわしく紹介しているので、これらにそって調査を行い、観察したこと、感じたことをまとめてみましょう。なお、川へ行くときは、注意することがあります。
- 1人だけでの行動はやめましょう。3人から5人くらいで行動するようにしましょう。
- 川の水かさが、ひざより上のときや、川底が見えないとき、川の流れが速いときは、川に入るのはやめましょう。
- 川に入るときは、ぬれても良いくつをはき、はだしはやめましょう(空きかんやガラスびんが落ちている場合があります)。急に深くなったり、川底はすべりやすかったりするので注意して歩きましょう。
川には危険な面もあります。おうちの人と相談をして、しっかりと準備をしましょう。
>>>安全に川の調査を するために、 注意することについて、くわしくはこちら
公益財団法人 河川財団 「こどもの水辺サポートセンター」HP
注意事項をしっかりと守り、川を調査してみましょう。見つけたこと、感じたことをまとめ、私たちの生活とどのような関わりがあるのか、ぜひ考えてみてください。
[表1]
5つのものさし (水辺のすこやかさ指標)
❶自然な姿
水環境に自然がどのくらい残されているかを表します。
「水の流れる量」「岸の様子」「魚が川をさかのぼれるか」
❷豊かな生き物
水環境にいる生き物の豊かさを表します。
「河原と水辺の植物」「鳥のすみ場*1」「魚のすみ場」「川底の生き物」
❸水のきれいさ
水の清らかさを表します。
「透視度」「水のにおい」「COD*2」
❹快適な水辺
水環境のきれいさや静かさを人の感じ方で調べます。
「景色=感じる」「ごみ=見る」「水とのふれあい=さわる」「川のかおり=かぐ」「川の音=聞く」
❺地域とのつながり
水環境と人とのつながりを表します。
「歴史・文化」「水辺への近づきやすさ」「日常的な利用」「産業などの活動」「環境活動」
*1…生き物のすみかのこと。
*2…Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量。水中にどれだけの有機物がふくまれているのかを表す指標。
[表2]
身近な川を調べてみましょう!
おうちの人といっしょに、近くの川に行って調べてみましょう。 以下の事項を参考にしてみてください!
❶調査を始める前に
川について事前に調べましょう。
- 「調査の区間は、どこからどこまで?」など、インターネットなどを使って地図上で確認しましょう。
- 調査する区間について情報収集しましょう。川にまつわる昔の話や利用者が多いか、漁業や水道水の取り入れ、観察や清掃などの環境活動が行われているか など。
❷現地を確認しましょう
地図上で調査区間を確認しながら、出発から到着までかかる時間を調べましょう。また、川がよく見える場所や川に入れる場所、調査が安全に行えるかどうかなど、インターネットなどで調べておくと安心です。
❸必要な道具
調査に行くときは、次のものを用意しましょう。
- 観察ノート
- 筆記用具と下じき
- クリンメジャー(透視度計)
- その他:ぬれても良いくつ、温度計、バケツ、カメラ、双眼鏡、水筒、ぼうし、図鑑など
❹調べたことを記録しましょう
調査したことを観察ノートに記入しましょう。 5つのものさし(水辺のすこやかさ指標)にそって、まとめてみましょう。 環境省HPでは、観察ノートなどをダウンロードすることができます。
全国水生生物調査に参加しませんか?
全国水生生物調査は、川にすむ生き物を採集し、その種類を調べることで、水のよごれの程度を判定する調査です。全国で小学生をふくめ、約8万人が参加しています。
水のよごれの程度がなぜ分かるのですか?
水生生物調査では、29種の生き物が指標生物として選ばれています。川の中に、これらの生き物が何種類すんでいるかを調べます。すんでいる生き物の種類と数から、川の水のよごれの程度が4つのレベルのどの段階なのかが分かります。
どんな川でも調べられますか?
大きな川から小さな渓流、田んぼの脇の水路まで、数10cmの流れでも調査できます。ちがう川、同じ川の上流と下流など、複数の場所を調査してみましょう。場所によって、すんでいる生き物がちがうことが分かり、川をより深く知ることができます。
だれでも参加できますか?
小学生でも参加できます。全国の参加者の80%は小・中学生です。 調査した結果はインターネットで提出できます。スマートフォンで撮影した写真も登録できます。
★参加のお申し込み★
都道府県の窓口へお申し込み下さい。
監修:環境省 水・大気環境局環境管理課
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。