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市街地に残る緑地や近所の裏山など、法で守られない緑地を少しでも保全するために、神奈川県では「かながわのナショナル・トラスト運動」を進めているよ。今回は「かながわのナショナル・トラスト運動」について学んでいこう!
神奈川県の緑地面積が減少!?
神奈川県には、丹沢から箱根を中心とした〝山のみどり〟、相模原台地、多摩丘陵から三浦半島に続く里山・樹林地などの〝街のみどり〟があるよ。これらのみどり(緑地)は、木材資源や飲み水を育み、レクリエーションの場を提供し、多様な生き物の生息場所となるなど、私たちの生活に欠くことができないものなんだ。
こういった神奈川県内のみどりは、各種法令に基づき、一定区域の土地を買い上げる、都市公園のような施設緑地、自然公園や歴史的風土保存区域に指定し、土地利用を規制することで良好な自然環境を守っているよ。でも、市街地に残る緑地、住宅に隣接しながら水辺と森が一体になった谷戸、近所の裏山など、法で開発が規制されていない緑地は、都市化の進展にともなって失われつつあるんだ。どれくらい失われたかというと、過去40年間で約10%の緑地面積が減少!このままではいけないよね。
貴重なみどりを次世代に残そう!
神奈川県では、そのような身近にある貴重なみどりを次の世代に引きついでいくために、1986年に「かながわトラストみどり基金」を設置して、寄附金などを積み立て、「かながわのナショナル・トラスト運動」を推進しているんだ。
この「かながわのナショナル・トラスト運動」とは、イギリスで発展した運動をモデルにして、県と(公財)かながわトラストみどり財団が中心となり、身近なみどりを守り育てるために、県民、企業、団体および市町村が連携して進めている県民運動のことで、この運動によって守られた緑地のことをトラスト緑地とよぶよ。
また、緑地を買い入れて終わりではなく、ボランティアの市民団体の協力により、自然再生や維持管理が行われ、良好な自然環境が保たれているんだ。
多くの人の手によって守られている神奈川県の緑地。これからも大切にしていきたいね!
どうして緑地を守る必要があるの?
緑地には、人々が豊かな生活を送る上で、さまざまな重要な機能と役割があるからなんだ。
生き物の生息地
- 多種多様な生き物が生息する場所になっているよ。
- 緑地が減少することで、そこにすむ生き物の生息地が喪失・分断してしまい、生物種の絶滅のリスクが高まるんだ。
防災機能
- 火災の延焼等を防ぐ上で重要な役割を果たしたり、雨水を土壌にたくわえることで、土砂くずれなどによる被害をおさえたりする働きがあるんだ。
環境保全機能
- 樹木による日射の遮断や葉面からの蒸発散作用等により気温の上昇をおさえる機能があるんだ。
>>>参考:神奈川県「かながわトラストみどり基金へ御寄附ください」
>>>参考:公益財団法人かながわトラストみどり財団「かながわのナショナル・トラスト運動」
神奈川の森林や里山を守り、育てていく活動に参加しよう!!
神奈川県のみどりを守るために、さまざまな活動が行われているよ。ぜひ参加してみてね!
成長の森事業~こどもと、ともに育む森づくり~
神奈川県産無花粉スギ・無花粉ヒノキを植樹するよ。
県民参加の森林づくり事業
初めての方から経験者まで、個人で気軽に参加できる森林づくり活動だよ。
やどりき水源林案内(12月~2月の冬季は休止)
毎週土、日曜日に1~2時間程度の水源林ミニガイドを開催しているよ。
神奈川県下に増えるトラスト緑地
神奈川県が、かながわトラストみどり基金を活用して、市町村とともに緑地を買い入れたり、(公財)かながわトラストみどり財団が、土地所有者と緑地保存の契約を締結したりするなど、異なる手法を組み合わせて緑地を保全しているよ。2024年3月31日現在、その実績は、県内に29カ所、面積は93haをこえているんだ!
葛葉緑地(秦野市)
蛇行して流れる葛葉川沿いにある緑地。昭和62年にナショナル・トラスト運動による第1号緑地として指定されたよ。市民が身近に自然とふれあえる施設「くずはの家」や散策路が設置されているんだ。
大磯こゆるぎ緑地(大磯町)
相模湾沿岸に残されたクロマツを中心とする希少な海岸林の中にある約7haの緑地だよ。
小網代の森緑地(三浦市)
三浦半島の先端にあり、相模湾に面した約70haの森。森林、湿地、干潟及び海までが連続して残されている、関東地方で唯一の自然環境といわれているよ。多くの生き物たちが多様な生態系を形成し、自然観察会などのイベントも盛んだよ。
協力 : 神奈川県
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。