【上野動物園だより】絶滅の危機がせまる小笠原の「アナカタマイマイ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
東京
動物園だより
2024.11.05

【上野動物園だより】絶滅の危機がせまる小笠原の「アナカタマイマイ」

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※天然記念物

今月のどうぶつ:「アナカタマイマイ」

学名: Mandarina hirasei
分類:柄眼目 オナジマイマイ科
生息地:小笠原諸島父島の南端部および巽島。母島北部

都立動物園・水族園で見られる 小笠原の動物

アカガシラカラスバト
学名:Columba janthina nitens※天然記念物

オビシメ
学名:Scarus obisime

絶滅の危機がせまる 小笠原の「マイマイ」

海底火山の噴火でできた小笠原諸島は大陸とつながったことがなく、空を飛んできたり、海を流れ着いたりした生き物たちが、小笠原諸島の環境に適した独特な生態系を築き上げてきました。

なかでも陸上で生活する貝類のなかま「マイマイ」は、小笠原諸島で確認されている約100種類のうち90%以上が固有種です。現在、これらマイマイは、ニューギニアヤリガタリクウズムシなどの外来種の捕食により絶滅の危機にあります。そこで、小笠原諸島内と島外で、マイマイを守るための活動が行われています。上野動物園では、固有種のアナカタマイマイを飼育展示することで、小笠原諸島のマイマイの現状を広める活動もしています。

小笠原諸島固有種のアナカタマイマイ

マイマイを飼育しながら増やして展示する

えさには、たんぱく質やカルシウム補給のためのザリガニ用配合飼料と爬虫類用カルシウムを混ぜた特製の粉を付けたナスをあたえています。マイマイは口の中にある歯舌と呼ばれるおろし金のようなものを使い、ナスをけずり取って食べます。

アナカタマイマイに適した環境を整えることで、展示水槽でも産卵します。孵化した小さな子どもは、おとなといっしょに展示しています。タコノキの葉の上や裏側などにいるので、ぜひ探してみてください。

透明感のあるアナカタマイマイの子ども

うえのニュース

動物だけじゃない、上野動物園の文化財

国や地域にとって保存する価値が高いと認められたものを文化財といい、伝統的な建物もふくまれます。東園には重要文化財の旧寛永寺五重塔があります。アナカタマイマイのような貴重な動物だけでなく、歴史ある建物にも目を向けて、文化財の価値や保護について考えてみましょう。


写真提供:公益財団法人東京動物園協会

恩賜上野動物園
東京都台東区上野公園9−83
TEL.03-3828-5171
https://www.tokyo-zoo.net/zoo/ueno

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エコチル編集部

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