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今月のどうぶつ:アカオニナマコ
学名:Stichopus naso Semper, 1868
楯手目 シカクナマコ科
生息地:伊豆半島以南の岩礁
大きなものは長さ40cmほどになる大型のナマコです。赤茶色で断面は台形の四角柱状、大小のイボが並んでいます。浅海の岩礁にすんでおり、イセエビをねらった〝さしあみ〟にかかることがあります。和歌山県では食用にしないようですが、食べる地方もあります。
触手で砂を集めて栄養を摂取
アカオニナマコの口の周りには20本の触手があり、海底の砂などを集めて飲みこみます。触手の先端は、細かく枝分かれした砂をかき集めやすい形になっています。ただ、砂は栄養にならないので、砂の隙間にある有機物や微小な動植物・バクテリアなどを消化・吸収しています。
吸収できなかった栄養分と砂は、“ふん”として出します。水族館の水槽でも、砂でできたナマコのふんを見ることがありますが、すぐにくずれてしまうので見つけられたらラッキーです。
他の種類のナマコでは、さらに細かく樹状に枝分かれした触手を水中に広げて、プランクトンなどを集めて食べるものもいます。
アカオニナマコの骨片(テーブル形)
体の各所にある小さな骨片
ナマコには骨がないと思っている人がほとんどだと思いますが、小さな骨(骨片)がとてもたくさんあります。多くの場合0・1㎜以下なので、顕微鏡が無いと見ることができませんが、体表を中心に体の各所に分布しています。
その数は多過ぎるので正確には分かっていませんが、約2千万個ともいわれています。
形も種類によりさまざまで、アカオニナマコは、4本足のテーブルのような形をしたものや、Cの字形をした骨片を持つものもいます。とても小さいですが、体表を丈夫にする働きがあると考えられています。
アカオニナマコの骨片(C字形)
京都大学白浜水族館ニュース
新着生物:ゴンズイの幼魚
ゴンズイ展示場に、新たに全長5㎝ほどの幼魚の群れが加わりました。集魚灯に集まったプランクトンをねらってやって来た群れをタモですくって採集したもので、30個体ほどが通称「ゴンズイ玉」と呼ばれる密集した群れで行動しています。今だけのかわいらしい幼魚をご覧ください。
写真提供/京都大学白浜水族館
協力・監修/京都大学白浜水族館
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TEL 0739-42-3515
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