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みなさんは、鳥インフルエンザについて知っていますか?海外から飛来する渡り鳥が運ぶといわれています。今回は、渡り鳥と鳥インフルエンザについて、くわしく紹介します。
鳥インフルエンザってどんな病気なの?
鳥インフルエンザは、A型インフルエンザウイルスが引き起こす鳥の病気です。鳥インフルエンザウイルスのうち、特にニワトリに感染して変異し、ニワトリに対して病原性の高くなったものを高病原性鳥インフルエンザウイルスと呼びます。
ニワトリに高病原性鳥インフルエンザが発生すると、その多くが死んでしまいます。そのため、感染した家きん*が確認された場合は、家畜伝染病予防法という法律に基づいて、発生した農場の飼養家きんの殺処分、消毒など必要な措置が行われます。みなさんも、そのような状況が発生したニュースを見たことがあるのではないでしょうか。また、野鳥においても、高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染によって、国内外でケープペンギンやナベヅルなどの絶滅危惧種の大量死が発生しているのです。
必要な措置が行われるため、発生が確認された農場の家きん、鶏卵などが市場に出回ることはありません。また、加熱すれば感染性が無くなるため、もし食品中にウイルスがあったとしても、十分に加熱すれば感染の心配はありません。なお、生きた鳥からヒトへは、通常の接し方では感染しません。くわしくは、下の「野鳥との接し方について」をご覧ください。
*家きん…家畜として飼われる鳥類のこと。ニワトリやアヒルなど。
渡り鳥の飛来状況を調査し環境省HPで公開
そんな鳥インフルエンザですが、どのように広がるのでしょうか。現在、世界中に広がっている高病原性鳥インフルエンザウイルスは、過去に家きんの体内で変異して発生したものが野生の渡り鳥に広がり、渡り鳥によって長距離を運ばれているものと考えられています。
環境省では、各都道府県と協力して、野鳥が鳥インフルエンザウイルスに感染しているか検査をしています。また、渡り鳥の飛来状況調査を実施し、環境省HPで公開しています。下記のリンクから、飛来状況を確認することができるので、ぜひみなさんもチェックしてみてください。
図1
鳥インフルエンザの感染経路
近年、世界的に鳥インフルエンザの発生が広まっています。日本でも令和4年度は、過去最多の発生件数となりました。
国内外で希少種の感染も確認されており、生物多様性を保全するうえでも注意が必要です。
図2
渡り鳥の飛来状況調査
環境省では、渡り鳥の飛来状況の調査を行っています。
全国52カ所の地点で、渡りシーズン中に、渡り鳥の種類と個体数を把握しています。
野鳥との接し方について
鳥インフルエンザウイルスは、野鳥観察など通常の接し方では、ヒトに感染しないと考えられています。
正しい情報をもとに、冷静に行動しましょう。
- 日常生活において、野鳥など野生動物のふんなどにふれた後は、手洗いとうがいをすれば心配する必要はありません。
- 野鳥のふんが、くつの裏や車両に付くことにより、鳥インフルエンザウイルスが他の地域へ運ばれるおそれがあるので、野鳥に近づき過ぎないようにしてください。特に、くつでふんをふまないよう十分注意して、必要に応じて消毒を行ってください。
- 不必要に野鳥を追い立てたり、つかまえたりするのはやめましょう。
死亡した野鳥をみつけたら・・・
死亡した野鳥は素手でさわらないでください。
片づける場合は、使い捨て手袋などを使用しましょう。
野生の鳥は、体内や羽毛などに細菌や寄生虫などの病原体があることがあります。
同じ場所でたくさんの野鳥などが死亡している場合には、近くの都道府県や市町村役場に連絡しましょう。
野生の鳥は、えさがとれずに弱ったり、環境の変化にたえられず死んでしまったりすることもあります。野鳥が死んでいても、鳥インフルエンザをすぐに疑う必要はありません。
鳥インフルエンザウイルスは、通常では人には感染しないと考えられています。日常生活においては、過度に心配する必要はありません。
監修:環境省 自然環境局
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。