目次 [非表示]
今年も新米の季節がやって来たよ。田んぼには、お米を作るだけでなく、私たちの暮らしにとって大切な役割がたくさんあるんだよ。今回は、そんな田んぼについて、くわしく学んでいくよ!
田んぼは都市を守ってくれる!
令和5年度の「作物統計調査」によると、横浜市には119haの田んぼがあるよ。とはいえ、畑もふくめた市内の耕地面積全体で見ると、昭和40年に31・7%だった割合が6・0%にまで減少しているんだ。このまま田んぼが減ってしまうと、困ったことになってしまうよ。
というのも、田んぼには防災的な機能があるから。そもそも田んぼには水を保つ働きがあるため、豪雨時に雨水を一時的に貯めたり、下流域を水害から守ったりしてくれるだけでなく、地下水を急激に増やさないよう、土砂くずれや土の流出を防ぐ働きもあるよ。また、水田に緑や水があることで、気温上昇を緩和することもできるんだ。
生き物にとっても田んぼは大切
田んぼは、防災機能の他、トンボ、カエル、メダカ、ドジョウなど、さまざまな生き物の〝家〟としての役割もあるよ。その中では、カエルがイネの害虫を食べ、そのカエルをねらってタカやフクロウがやって来たり、小さな虫を食べているトンボなどの昆虫は鳥のえさになったりなどしているよ。畑ほど肥料を必要としないのに、田んぼで毎年連作できるのは、森からの栄養をふくんだ水と、いろいろな生物の排出物や死がいが土にかえっているおかげなんだね。
また、田んぼには、身近な生き物とふれ合い、地域の人から農作業を教わる貴重な場としての役割もあるよ。もし、横浜の子どもたち全員が、田んぼのない所で育っていたら、いつも食べているお米がどのように育っているのか、田んぼや農地が身近にないと見えにくくなってしまうよね。食べ物への感謝の意識も養いにくくなるかもしれないよ。私たちがこれからも生活していくには、暮らしの側に田んぼが必要なんだ。そんな田んぼを、これからも守っていこうね!
お米ができるまで
横浜市の農業にふれることのできる場所
農業を守ることや地域の活性化を目的に、農景観を守る取り組みとして「横浜ふるさと村」2カ所、「恵みの里」5カ所が市内に存在するよ。
横浜市の農業にふれてみよう!!
横浜市では、農にふれ、体験できる場として「横浜ふるさと村(寺家・舞岡)」「恵みの里(田奈、都岡、新治、柴シーサイド、北八朔)」を指定しているよ。田植えや稲かりの他、さまざまな農体験イベントを行っているよ!!
横浜市産のお米を食べよう!!
みんなは、横浜市で作られたお米を食べたことはあるかな? 横浜市の田んぼとお米について、くわしく紹介していくよ!!
横浜市の水田状況
出典:「農林水産統計年報」「作物統計調査」
はるみ
- 名前の由来
育成地である神奈川県湘南地域の「晴れた海」に由来する。 - お米の特徴
コシヒカリと比べてツヤがあり、あまみ、ねばりが強い。冷めてもおいしい。
キヌヒカリ
- 名前の由来
絹のようなツヤが特徴であることから命名。 - お米の特徴
ソフトなねばりで少しさっぱり目の印象。
てんこもり
- 名前の由来
富山のブランド米「てんたかく」とのシリーズで名付けられる。食欲をそそる名前。 - お米の特徴
甘味が強く、つやがあり、大粒でしっかりとした食感がある。
さとじまん
- 名前の由来
わが里を自慢したいということから、「さとじまん」と命名。 - お米の特徴
コシヒカリよりもつぶが大きく、もちもちとした食感。おにぎりやお弁当に最適。
横浜の農景観(寺家ふるさと村)
森と森との間に広がる水田を「谷戸田」と呼ぶよ。右の写真のような風景が横浜市には残っているんだ。
協力 : 横浜市みどり環境局
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。