【エコチル特集】まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」についてくわしくなろう!|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
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2024.10.02

【エコチル特集】まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」についてくわしくなろう!

目次 [非表示]

まだ食べられるのに、捨てられてしまう食べ物の量、なんと年間で約472万t。どこからどういった原因で、食べ物が捨てられてしまうんだろう? 今回は「食品ロス」についてくわしく見ていくよ!

日本での食品ロスの量は?

食品ロスとは、まだ食べられるにも関わらず、捨てられてしまう食品のことをいうよ。日本の食品ロスの総量は約472万t。そのうち、食べ残しや手付かずの食品(直接廃棄)、皮のむき過ぎ(過剰除去)といった各家庭から発生する「家庭系食品ロス」が約236万t、食品を作る製造業、スーパーやレストランなどから発生する、規格外品、売れ残り、返品といった「事業系食品ロス」が約236万tあるよ。国民1人当たりで換算すると、年間約38kg! 毎日おにぎり1個分の食べ物に相当する103gを捨てていることになるよ。

日本では、食料自給率はカロリーベースで38%のため、食料の多くを海外からの輸入にたよっているのが現状。さらに、家計における消費支出のうち、食費がしめる割合は4分の1以上と、少なくない額になっているよ。それなのに、食品の多くを捨てている現実があるんだ。これはもったいない!

食品ロスによって発生する問題

また、大量の食品ロスが発生することで、さまざまな影響や問題もあるよ。

1つ目が、食品ロスをふくめた多くのごみを廃棄するため、ごみ処理に多額のコストがかかってしまうこと。その額、年間約2兆円といわれているよ。2つ目が、可燃ごみとして燃やすことでCO₂が排出されるだけでなく、焼却後の灰のうめ立てなどによる環境負荷も考えられるよ。

そして、多くの食品ロスを発生させている一方で、9人に1人が貧困であるとされる子どもたちの中には、毎日の食事に困っている子も少なくないんだ。食べ物をむだにしないよう、毎日の暮らしの中で私たちに何ができるのか、考えていきたいね。

>>> 参考: 東京都「東京食品ロス0アクション」 

数字で見る食品ロス

日本の食品ロス

東京都の食品ロス

出典: 農林水産省および環境省「令和4年度統計」/総務省「人口統計(2022年10月1日)」
「令和3年度食料需給表(推定値)」/東京都環境局

「食品ロス」はどこから発生するの?

家庭や飲食店で発生する食品ロスの他に、一体どういうところで食品ロスが発生するのかな?

生産の場で
農業や漁業といった場での、取れ過ぎや形が悪い(規格外)などの理由による廃棄があるよ。

製造の場で
工場での作り過ぎ、パッケージの印字ミスや破損、販売店からの返品などによる廃棄があるよ。

配送の場で
工場から卸売業者、小売店、飲食店への配送の際に起こるパッケージの破損などによる廃棄があるよ。

販売の場で
小売店での売れ残りによる返品・廃棄。飲食店での客の食べ残しなどによる廃棄があるよ。

消費の場で
各世帯での食品の買い過ぎや使い忘れ、料理の食べ残しなどによる廃棄があるよ。

数字で見る
食品ロスゼロが実現した世界はどんな世界?

もし食品ロスがゼロになったら、どのような世界になるのかな。いっしょに想像してみよう!

約36億t(※)
(※)CO₂換算量
温室効果がガスの排出量が減る!!
人に消費されない食品のために、年間約36億tのCO₂などの温室効果ガスが発生しているよ。食品ロスを減らすことができれば、その分温室効果ガスも減らせるよ。

知ってた? 約36億tという量は、日本の全ての森林(約2,700万ha)が15年かけて吸収するCO₂量とほぼ同じだよ。

約250km³
水資源のむだが減る!!
食品を作るために、生産や製造の場では多くの水が使われているよ。世界で廃棄されている食品に使われている水の量は年間で約250km³で、これは琵琶湖の水の約9倍の量になるんだ。

約7.7億人
必要な人に食料が届けられる
世界の10人に1人、約7.7億人がうえに苦しんでいるといわれているよ。捨てられている分の食料を必要な人たちに届けられたら、うえや栄養不足に苦しんでいる人たちを減らせるはずだよ。

約6万円
むだな出費が減り、家計が助かる!!
日本では家計の支出のうち、食品が消費支出の4分の1以上をしめているよ。4人家族の世帯では、年間約6万円分の食品が捨てられているというデータも。捨てる食品が減れば、その分食費も減らせるよ!

今月の『わが家の環境局長』Vol.4

おうちの環境リーダーとして活躍しているお友達を紹介するよ!

町田市立大蔵小学校 6年生 M.T.さん

私は、普段気が付かなかったところでたくさんの電気を使っていたことがわかり、「毎日使っているもので無理なく続けられる節電をしよう」と思いました。トイレの暖房便座はフタを閉めた時と閉めなかった時では消費電力がかなり違います。小さなことかもしれませんが、一人ひとりが自分の出来る取組を無理なく続けていくことが大切だと思います。

★東京都では、小学生のキミを「都知事が環境局長に任命」する取組を実施中♬みんなの活動を公式インスタグラムでみてみてね。
>>> 公式インスタグラム

食品ロスゼロを目指して
アクションをおこそう!

食品ロスゼロを目指して、すぐできることはたくさんあるよ! その中からいくつか紹介するね。

買い物でアクション!
すぐに使う食品は 「てまえどり」する
すぐに使う食品は、商品棚の手前から取る「てまえどり」をしよう。手前の商品はおくに置いてある商品よりも期限が短い場合が多く、期限切れや売れ残りによる廃棄を防げるよ。

おうちでアクション!!
冷蔵庫を整理整頓する
冷蔵庫の中が整理整頓されていると、食品が探しやすくなり、使い忘れなどによる食品ロスを防げるよ。

外食でアクション!!
お店では食べられる分だけ注文する
そのときの体調やお腹の減り具合に合わせて、ちょうど良い量の料理を注文しよう。食べ残しの削減に取り組む「食べきり協力店」を探して利用するのもおすすめだよ!

環境について学べるイベントが開催されるよ!!

【実施日時】
10月27日(日)10時00分~14時30分

【実施予定場所】
新宿御苑(新宿区)、東京おもちゃ美術館

【内容】
「木に触れよう!木と遊ぼう!」をテーマに、新宿御苑を散策したり、自然を活用した工作をするよ。自然に興味を持つだけでなく、自然の大切さや共に生きる重要性を学ぼう!

>>> 申込みページ


協力:東京都

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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