【京都大学白浜水族館だより】ヒゲダイとヒゲソリダイの学名由来「ヒゲダイ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
和歌山
動物園だより
2024.09.09

【京都大学白浜水族館だより】ヒゲダイとヒゲソリダイの学名由来「ヒゲダイ」

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今月のどうぶつ:ヒゲダイ

学名:Hapalogenys sennin Iwatsuki and Nakabo, 2005
スズキ目 イサキ科
生息地:日本固有種。福島県~九州南岸の太平洋沿岸、瀬戸内海、山形県鶴岡~熊本県天草諸島の日本海・東シナ海沿岸

ヒメダイは、下顎に名前の由来である白いひげが生えているのが大きな特徴です。体は平たく名前にタイとありますが、イサキの仲間です。

ヒゲダイとヒゲソリダイの学名由来

今回はイサキ科の魚、ヒゲダイとヒゲソリダイの名前についての話です。

「ヒゲダイ」という名前は和名といい日本国内でしか通じません。これに対し、学名は世界中で通じる名前で、ラテン語で表記します。

この2種は近縁でよく似ていますが、ヒゲダイには白く長いヒゲがある一方で、ヒゲソリダイのヒゲはそったように短く目立ちません。2種の学名について魚類学者も混同していた過去があります。

以前、ヒゲダイの学名はHapalogenys nigripinnis(Temminck & Schlegel,1843)とされていましたが、学名の基準となる標本を調べたところヒゲソリダイの特徴が見られ、この学名はヒゲソリダイのものであることが分かりました。

その結果、ヒゲダイには学名が無いことが分かり、新たにHapalogenys sennin Iwatsuki and Nakabo,2005として新種記載されました。

新種といえば新たに見つかった未知の生物という印象があるかもしれませんが、ヒゲダイのように存在は知られていても学術的に報告されておらず、実は新種だったということもあります。

ヒゲの短い「ヒゲソリダイ」

センニンと呼ばれるヒゲダイを観察しよう!

ヒゲダイは、長いあごひげを持ち下顎がとがっていることから、風貌が仙人を思わせるのでsennin(センニン)と命名されました。

白浜水族館では412号水槽でヒゲダイを観察することができます。ときどき姿が見えないことがありますが、水槽のはしからこちらを見ていることがありますので、ちょっぴりシャイなヒゲダイに注目してあげてください。

水槽のはしからのぞく「ヒゲダイ」

京都大学白浜水族館ニュース

「飼育体験イベント」を実施します!

白浜水族館では、水族館の裏側に入り、水槽水のじゅんかんシステムの見学や魚のえさやりなど、水族館の飼育係の仕事を体験できるイベントを開催します。日時は10月5日(土)午後1時30分から3時30分です。お申込は水族館のウェブページをご覧ください。


写真提供/京都大学白浜水族館

協力・監修/京都大学白浜水族館
〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町459
TEL 0739-42-3515
https://www.seto.kyoto-u.ac.jp/shirahama_aqua/

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