【釧路市動物園だより】狂暴なハンター「エゾクロテン」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
北海道
動物園だより
2024.09.09

【釧路市動物園だより】狂暴なハンター「エゾクロテン」

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釧路市動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介します。

今月のどうぶつ:エゾクロテン

食肉目 イタチ科
【生息地】北海道道央部から 道北、道東部

釧路市動物園ではオス2頭を飼育しています。

凶暴なハンター

クロテンは、食肉目イタチ科テン属に属するほ乳類で、朝鮮半島から中国・ロシア・東ヨーロッパに分布しています。釧路市動物園では、その亜種に分類されるエゾクロテンを飼育しています。北海道道央部から道北、道東部に多く生息していることが、最近の調査で分かってきました。

エゾクロテンは頭部から胴部までの長さが40~50㎝程で、クロテンよりやや小型なようです。雑食性でネズミ類やカエルなどの小動物の他、サクラの実・ヤマブドウ・コクワなどの植物も食べます。自分よりも大きなウサギをおそうこともあり、かわいい顔に似合わない凶暴なハンターです。

見かけによらず、実は凶暴

高級毛皮の素材

テンの仲間は毛皮の保温性が優れ、毛並みが美しいことから、古くから毛皮をとるためにつかまえられていたようです。クロテンは英名を「セーブル」といい、チンチラ(ネズミの一種)、リンクス(オオヤマネコ)とあわせ、世界の三大高級毛皮と呼ばれています。

ヨーロッパやロシアでは王家などがその財力や権力を示す物として、毛皮製品を争って求めたため、対象となる動物が乱獲されました。エゾクロテンも、明治期は全道に分布していましたが、毛皮目的の乱獲により数が減り、1920年に狩猟を禁じられました。現在も準絶滅危惧種に指定されている希少種です。

当園では2頭のオスのエゾクロテンを飼育しています。飼育台帳を確認すると、「てんてん」は2009年に園内で保護された個体であることが分かりました。身近な自然に貴重な野生動物が息づいていたことはうれしい限りです。「てんてん」は北海道ゾーンの東側入口で飼育しています。どうぞ会いに来てくださいね。

保湿性に優れ、美しい毛並み

くしろニュース

9/22(日・祝)に「動物慰霊式」を実施します!

当園では前年に亡くなった飼育動物の慰霊式を、動物愛護週間(9/20~26)中に行っています。今年は9/22(日・祝)に実施します。場所はレストハウス前の「いのちの碑」です。私たちに命のかがやきや大切さを教えてくれた動物たちに、感謝の気持ちを届けたいと思います。

>>>  くわしくは「釧路市動物園」まで

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!

質問

ビーバーはいつ、何を食べているのですか?

答え

ビーバーはネズミの仲間です。夜行性のため、釧路市動物園のオスの菊丸は、日中は寝室でうずくまっていることがほとんどです。夕方ごろにプールに出て、ヤナギの枝を「えびせんべい」のようにパリパリと音を立てて、けずりながら食べます。


協力・監修/釧路市動物園

釧路市動物園
釧路市阿寒町下仁々志別11番
TEL. 0154-56-2121
https://www.city.kushiro.lg.jp/zoo

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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