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冬はエネルギーをたくさん使うけれど、省エネと節約には最適な季節なんだ。
では、どうやればいいのかな? くわしく冬の省エネ方法を見ていこう!
冬はたくさんエネルギーを使う!?
私たちは、毎日の暮らしの中でたくさんのエネルギーを使用しているよ。では、ここでクイズ。
1年で最もエネルギー使用量が多くなるのはどの季節?
答えは冬! ちょっと意外だよね。例えば、気象庁が発表している2018年8月の長野県の日平均気温は25・4℃。冷房時の室温は28℃を目安にしているから、その差は2・6℃。一方、寒さが厳しいといわれる1月の日平均気温はマイナス0・4℃。暖房時の室温目安が20℃だから、その差はなんと20・4℃に! このように外気温と室温設定の差が大きくなればなるほど、エネルギーはかかってしまうよ。だから、冬の方がエネルギーを多く使用するんだね。
また、冬は雪や寒さなどから、外出もひかえがちに。家にいる時間が増えると、テレビや暖房、照明などを使う時間が増加しやすく、シャワーやトイレの便座の設定温度も、夏場より高くなりやすい! どれもこれも、ちょっとしたことだけれど、エネルギーは確実に使われていくよ。
ちょっとした工夫で暖かく
エネルギーをたくさん使用する冬だけれど、実は、省エネしやすい季節でもあるんだ。私たちが省エネに取り組めば、地球温暖化の原因といわれるCO2の排出を少なくすることにつながり、地球温暖化対策にも役立つよ。
さらに、経済産業省資源エネルギー庁の『無理のない省エネ節約』によると、外気温度6℃のとき、エアコン(2・2kw)の暖房設定温度を21℃から20℃にした場合、1日9時間の使用で年間約1,430円の節約、CO2は25・9kgも削減できるよ。さらに、設定温度20℃で暖房を1日1時間つけるのを短くした場合、年間約1,100円の節約、CO2削減量は19・9kgになるよ。少し気を付けるだけで、省エネだけでなく、節約もできるんだね。
また、いつもより着る物を1枚多くしたり、体が温まるものを食べたりなど、ちょっとした工夫で省エネできるのも冬のいいところ! ただ、暖房を無理にひかえてかぜを引いたり、体調をくずしたりしてしまっては、元も子もないよ。無理せず冬の省エネを心がけようね。
出展:資源エネルギー庁調べ
出展:産業経済省 資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/
江戸時代から使われた自然の貯蔵庫 「小諸の氷風穴」
小諸市の氷集落にある氷風穴群は、天然の冷蔵庫(氷室)として活用されてきたよ。江戸時代には氷を貯蔵し、藩主に献上。養蚕が盛んな明治時代には、蚕種の貯蔵に効力を発揮したんだ。現在では、リンゴやつけもの、日本酒の保存に利用されているよ。
氷風穴は夏場でも2〜5℃ほどの低温に保たれ、湿度は100%前後あっても空気の循環でカビは発生しないため、鮮度・品質を落とすことなく長期間保管できるよ。まさに、高性能なエコ冷蔵庫だね!
長野県にあるエコスポット
出典:信州小諸 氷風穴の里
https://fuuketsu.wixsite.com/koori
調べて、やってみよう!冬の省エネ対策
手軽にできる冬の省エネ対策を、長野県地球温暖化防止活動推進員の
有賀宏道さんに教えてもらったよ。早速、試してみよう!
その1:窓から熱がにげるのを防ぐ
家の中で一番熱がにげる場所が窓だよ。そこで、断熱シートや隙間防止シートを活用して、暖かい空気をにがさないようにしてね。断熱シートやテープなどが店頭で売られているからチェックしてみよう!
その2:扇風機やサーキュレーターを天井に向けて動かす
暖かい空気は上に行くよ。そのため、エアコンから放出された温風はゆかまで届きにくく、天井がゆかより暖かくなってしまうんだ。家で天井の温度を測り、天井がゆかより暖かいことを確認したら、扇風機やサーキュレーターを天井に向けて動かそう。部屋の空気を回すことで部屋が暖まるよ。4年生の理科の教科書に、気温の測り方や扇風機の設置場所の工夫についてのっているよ。高学年の子は調べてみよう。低学年の子は先生に聞いてみてね。
その3:こたつを使用し、エアコンの設定温度を下げる
こたつの下にアルミシート、その上にこたつ用の敷物をしくと、「弱」や「中」の設定でも十分に暖かいよ。エアコンの設定温度も下げられるよ!
その4:冷蔵庫の設定温度を上げる
冷蔵庫のある部屋の室温が真夏より低ければ、冷蔵庫の設定温度を一段階上げよう!
その5:温水洗浄便座のふたを閉めて、設定温度を1つ低くする
便座と洗浄水の暖房機能にかかる電気代を、説明書を読んで調べてみよう。説明書がなければ、インターネットで製造した会社のHPから調べてみてね。インターネット上にも、1日約●円、1年間で●円とのっていることもあるよ。
その6:加湿器を使用する
湿度の増減による体感温度の差は大きいよ。湿度の高い室内は、実際の気温よりも暖かく感じ、暖房の設定温度を下げても、体は寒さを感じにくくなるよ。これで、エアコンの設定温度を下げることができるよ。
その7:体験活動やインターネットなどから、衣服の生地やエアコンの性能を調べる
厚着をして体を温めよう。フリース、ウール、機能性下着、防寒肌着など、いろいろな衣服を着てみて、保温性の高い物を探そう。洋服の生地を調べたり、最新型の保温性に優れた生地でできた衣服を調べたりするのも楽しいよ。また、エアコンは一般的に暖房の設定温度を1℃低くすると、約13%の電力を節約できるよ。
まだまだあるよ! 暖かく過ごすひと工夫
- ドアをきちんと閉める
- 首、手首、足首の“3つの首”をしっかりガード
- 早めにカーテンやブラインドを閉める
- カーテンを厚手にする
- エアコンやガスファンヒーターなど、こまめに
フィルターの掃除をする
監修:長野県地球温暖化防止活動推進員 有賀宏道さん
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。