【須磨海浜水族園だより】産まれる前から始まる生存競争「シロワニ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
兵庫
動物園だより
2021.12.13

【須磨海浜水族園だより】産まれる前から始まる生存競争「シロワニ」

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今月のどうぶつ:シロワニ

学名:Carcharias taurus
ネズミザメ目 オオワニザメ科
生息地:世界中の暖かい海の沿岸部

サメの仲間はどんどん新しい歯が生えてくるので、古い歯はポロポロとぬけ落ちてしまいます。

産まれる前から始まる生存競争

シロワニは、最大で全長3mほどになるサメで、魚やイカ、エビ・カニの仲間などを食べています。大きく盛り上がった背中と半開きの口から見える、たくさんの歯が特徴です。するどく細長い歯は、獲物にささりやすいのですが、かみ切るには向いていないため、丸飲みにできる大きさの獲物しか食べられません。

そんなシロワニは、お腹の中で卵から赤ちゃんがかえる「卵胎生」の魚です。普通、卵胎生の赤ちゃんは卵からかえった後、自分のお腹に付いた卵黄を吸収して成長するのですが、シロワニは最初に卵からかえった赤ちゃんが、周りにある卵や後からかえった赤ちゃんを食べて育ちます。そのため1つの子宮で育つ赤ちゃんは1ぴきだけです。お腹の中で卵だけでなく、他の赤ちゃんまで食べてしまうサメは、現在知られている限りではシロワニだけです。


ぬけた歯が水槽の底から見つかることも

ちょっと手間のかかるえさやり

投げこまれたえさをどんどん食べる魚ではないため、他の魚と同じあたえ方をしていては、やせてしまうことがあります。確実にえさを食べさせるために、棒で水面をたたいてから投げこむことでえさの場所を覚えさせました。今では完全に覚え、水面をたたいていると寄って来るので、タイミングを合わせて口の近くに投げこむようにしています。

シロワニは、繁殖期の2、3カ月はほとんど食べないため、それ以外の時期にどれだけ食べさせられるかが健康に飼育するためのポイントです。


イカやサバを丸ごと食べます

スマスイニュース

解説アプリ「スマスイ・アクアガイド」

展示解説アプリを期間限定で※無料体験できます。専用タブレットを見ながら館内を回ると、飼育員がとなりでガイドをしているように楽しめて、生き物についても学べます。

前日までに公式HPで予約が必要ですが、当日も空いていれば利用できます。ぜひ、体験してみてくださいね。※入園料が必要です


写真提供:須磨海浜水族園

神戸市立須磨海浜水族園
〒654-0049 兵庫県神戸市須磨区若宮町1-3-5
TEL 078-731-7301
https://kobe-sumasui.jp/

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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