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今月のどうぶつ:コトクラゲ
学名:Lyrocteis imperatoris
クシヒラムシ目 コトクラゲ科
生息地:80mより深い海底
色彩が多様で、もも色、むらさき色、黄色、白や白に赤の水玉模様などの個体がいます。
写真提供:ふくしま海洋科学館
昭和天皇が発見した生物
1941年に、生物学者として知られた昭和天皇が相模湾で変わった形のクラゲを発見しました。2本の太い触手を長くのばすそのクラゲは、たて琴(ハープ)に似たことから、京都大学の駒井卓博士が「コトクラゲ」と命名しました。種小名の「imperatoris」は「皇帝」という意味で、昭和天皇に献名されました。
海底に生息するコトクラゲは、流れてくる動物プランクトンを粘着性物質が出る触手でべたべたとつかまえます。体がとてもやわらかくて、大きさは15㎝ほどです。
ROVでとったコトクラゲの写真
日本海で発見された個体
約6年前までは、コトクラゲは主に太平洋側の海で発見されていました。ところが、2018年に、マリンピア日本海と福島県のふくしま海洋科学館が佐渡海峡で深海生物の共同調査をしている際に、ぐうぜんコトクラゲが発見されました。日本領海内の日本海において、初めての発見でした。その後、2019年、2022年、2023年にも発見しています。
調査には、水深300mまでもぐれるROVと呼ばれる遠隔操作型無人探査機を使います。映像を見ながらリモコンで動かすROVの操作はゲームに似ていますが、海流や風向きを計算しながら操作するので、とても神経を使います。ROVに採集装置を付けることもできます。日本海で採集したコトクラゲは、現在ふくしま海洋科学館で太平洋側の個体とともに展示されています。
2022年の共同調査の様子
マリンピアニュース
日本海の深海、のぞいてみよう!
佐渡海峡の深海生物の様子は簡単に見ることはできません。そこで、マリンピア日本海はふくしま海洋科学館と共同でROV(遠隔操作型無人探査機)による調査を行いました。この企画展示では、普段見ることのできない海底の世界を映像と共に紹介します。7月13日(土)から来年の2月24日(月)まで。
写真提供/新潟市水族館マリンピア日本海
協力・監修/新潟市水族館マリンピア日本海
〒951-8555 新潟市中央区西船見町5932-445
TEL 025-222-7500
https://www.marinepia.or.jp/
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