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みんなは「あさはた緑地」という公園を知っているかな? 広場や小川、農園があり、希少な動植物もすんでいるよ。ここは洪水の被害から守るために、雨を貯める遊水機能を持った特殊な公園でもあるんだ。今回は、あさはた緑地についていっしょに見ていこう。
あさはた緑地ってどんな公園?
静岡市葵区にある公園「あさはた緑地」には、体に障がいがある子もない子も遊べる「インクルーシブ遊具」のある広場をはじめ、豊かな自然にふれ合える農園や小川、園内の生き物などを知ることができるセンターハウスがあるよ。
この公園のテーマは「未来につながる緑のあそび場」。「未来」という言葉には、みんなで公園を作り続けていくという思いがこめられていて、普段から多くの人が関わる公園なんだ。小学生があさはたの自然環境を学べる「あさはたマスター」という講座を開いたり、市内に住む人が園内の湿地を整備したりしているよ。また、体験農園のれんこん畑や田んぼには地域の学校や施設、住人が関わっているんだよ。
洪水から守ってくれるの?
あさはた緑地の大きな特徴は、雨を貯める遊水機能を持つ公園だということ。台風や大雨の洪水の被害からみんなを守ってくれるんだ(くわしくは図1を見てみよう)。また、この遊水機能を備えるための工事で、土中にうもれていた種子が芽吹き、湿原や水辺には、希少な植物がよみがえったよ。そのため、あさはた緑地では希少種(生息する数が少なくなかなか見ることができない種)の保全も行っているんだ。
例えば、ふれあいの水辺は、放っておくとあっという間に草でおおわれてしまうけど、草かりなど人が手を入れて活動することで、地面がほり起こされて種子が復活し、さまざまな植物が生息し続けることができるよ。どんな動植物がいるか、下の図2を見てみよう。
園内では、植物観察や昆虫採集、魚捕りなど、思いきり遊ぶことができるよ。豊かな自然の中で見たり、さわったりして、あさはたの自然を知ろう。
【図1】 遊水機能って何だろう?
遊水機能とは大雨が降ったとき、一時的に河川の水を流入させて水を貯める機能のこと。洪水が下流へ一気に流れ出ることを防いでいるんだ。そのため大雨などで、あさはた緑地のそばを流れる巴川の水位が上がり危険水位に達したときや、大雨警報が発令されたときは、園内が冠水する可能性があるため、閉園になるよ。
普段は住民が楽しく過ごす場として、大雨が降ったときには人の命と生活を守る遊水地としての役割を果たしているんだ
川が増水するとこうなるよ
増水すると、巴川(右)から越流堤(一部を低くした堤防)(左)を通って水が公園に流入し遊水地としての機能を発揮するんだ。
【図2】あさはた緑地で見られる希少な動植物!
オオアブノメ
1年草。高さは10~20cmで、 5~7月に花をさかせる。
ミズアオイ
ぬまや田んぼに見られる植物で、 7〜10月に青紫色の花をさかせる。
オニバス
浮葉性、一年性の水草。葉やくきには、するどいトゲがある。
カヤネズミ
日本最小のネズミ。ススキなどの葉で球形の巣を作って子育てする。
この他にも、希少な動物や植物が生息しているから、探してみよう。
引用:オオアブノメ・カヤネズミの写真『麻機遊水地に蘇る生きものたち』静岡土木事務所河川改良課、ミズアオイ・オニバスの写真「あさはた緑地」公式サイト
「第4回 グリーンインフラ大賞」を受賞
あさはた緑地が「第4回グリーンインフラ大賞」優秀賞を受賞したよ。グリーンインフラとは、自然環境が持つ機能を社会のさまざまな課題の解決に活用しようとする考え方や取り組みのこと。普段何気なく遊んでいるあさはた緑地は、立派なグリーンインフラの機能を備えた場所なんだよ。
あさはたの自然を体験しよう!
「夏の自然あそび教室」
夏休み、あさはた緑地では「流木アート」や「秘密基地を作ろう」などを開催予定。あさはたの自然で遊ぼう!
【開催日】
7/23(火)・7/30(火)・8/6(火)・8/20(火)
【開催時間】
いずれも9時15分~12時の予定
各日程の詳細は決まり次第、 HPに掲載するよ。
その他さまざまなイベントを開催予定。
>>>くわしくはHPをチェックしてね!
監修/静岡市 緑地政策課
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。