【エコチル特集】夏に活動する“セミ”を調べて自然とのつながりを考えよう!|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
相模原
特集
2024.07.01

【エコチル特集】夏に活動する“セミ”を調べて自然とのつながりを考えよう!

目次 [非表示]

夏の到来を告げる昆虫〝セミ〟。みんなが暮らす相模原市内にも生息しているよね。セミの分布を調べることで、その地域の自然度が分かるんだ。今回は、セミの生態や種類、ぬけがらについてなど、くわしく紹介するよ!

セミの生息を調べると自然度が分かる

セミの鳴き声が聞こえると、夏が来た! と感じるよね。日本全国に生息するセミは約32種いるといわれていて、相模原市内には、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、ツクツクボウシ、クマゼミなどのセミが生息しているよ。

セミの中でも、市街地にすむ種類と森林にすむ種類がいるよ。都市化が進んで森林が少なくなると、セミの種類の構成が変化するから、それぞれのセミがどのエリアに生息しているかを調べることで、市内の自然度を図ることができると考えられるんだ。

自然と生き物のつながりを考えよう

令和4年度に行われた市内調査では、アブラゼミとミンミンゼミ、ツクツクボウシがほぼ市内全域に生息していること、クマゼミが市内の広い範囲で生息していることが分かったよ。一方で、ニイニイゼミやヒグラシの分布はかたよりがあったんだ。また、10月中旬までアブラゼミやツクツクボウシが鳴いていたことも分かり、セミの鳴く季節が以前と比べて変わってきているとも考えられているよ。

ぜひみんなも、セミの生態について調べて、身の回りの自然と生き物のつながりを考えてみてね!

[図1]
セミの一生

セミは、地中で過ごす幼虫の間をふくめて5年以上生きるものがほとんど。でも、地上に出て成虫になると、1カ月ぐらいしか生きることができないよ。幼虫から成虫に羽化するとき、セミの体はとてもやわらかいので、さわらずに観察しよう。

どうしてセミの幼虫は栄養の少ない根の樹液を食べ物にしているのかな? それは、あみの目のような根に守られて、安全な場所でゆっくり成長するためなんだよ。

 

[図2]
相模原市で見られるセミの種類と特徴


種名:アブラゼミ
体長:56~60mm
鳴声:ジリジリジリ
主な生息地:平地~山麓、市街地では庭先、街路樹で多く見られる。
備考:出現時期は7月下旬~9月ごろ。主に午後から鳴くが、日の出から日の入りまで鳴いている。熱帯夜に鳴く個体もいる。こい茶色のはねが特徴。

 


種名:ミンミンゼミ
体長:56~63mm
鳴声:ミーンミンミン
主な生息地:平地、丘陵地の広葉樹林、市街地でも多く見られる。
備考:出現時期は7月下旬~9月ごろ。主に午前中に鳴くことが多い。頭部と胸部は、黒地に水色と緑色の模様がある。

 


種名:ニイニイゼミ
体長:20~26mm
鳴声:ジー
主な生息地:平地、丘陵地の広葉樹林、少ないが市街地でも見られる。
備考:出現時期は6月下旬~8月上旬。日の出から日の入まで鳴くが日の入りに鳴く個体が多い。はねが褐色のまだら模様で、身体はやや丸みを帯びている。

 


種名:ヒグラシ
体長:40~48mm
鳴声:カナカナ
主な生息地:平地、丘陵地、山地の針葉樹林で見られることが多い。
備考:出現時期は7月上旬~8月ごろ。日の出前、日の入りに鳴く。腹部は赤い褐色、胸部に緑色の筋が入った個体が多い。

 


種名:ツクツクボウシ
体長:43~46mm
鳴声:オーシーツクツク
主な生息地:平地、丘陵地、市街地でも見られ、森林を好む。
備考:出現時期は8月~10月上旬。日の出から日の入りまで鳴く。日の入りに鳴く個体が多い。全体的に黒い褐色で緑色の模様が混じる。あしが黄色と茶色のしま模様。腹部が細長い。

 


種名:クマゼミ
体長:60~68mm
鳴声:シャンシャンシャン
主な生息地:平地、山地、市街地でも見られる。
備考:出現時期は7月下旬~8月ごろ。午前中に鳴く個体が多い。身体が大きい。はねは透明で付け根に緑色の脈がある。身体は全体的に黒く、背中はつやがある。

 

セミのぬけがら検索表(関東平地)

セミのぬけがらの特徴を紹介するよ。見つけたら、何のセミか調べてみよう!

クマゼミ

  • 横から見ると中足と後ろ足の間に突起がある
  • 体長33~37㎜と大きい
  • 近年分布を広げている種

 

アブラゼミ

  • 触角の付け根から3番目の節は2番目より長い。
  • 触角には毛が多い。
  • 触角の付け根から2番目の節の先はやや太い。

 

ミンミンゼミ

  • 触角の付け根から3番目の節は2番目と同じくらいの長さ。
  • 触角には毛が少ない。
  • 触角の付け根から2番目の節の先は太くならない。

 

ニイニイゼミ

  • 体が丸っこい。
  • 体全体にどろが付いている。

 

ヒグラシ

  • 触角の付け根から4番目の節は3番目より長い。
  • 体全体に光沢がある。
  • 背中が猫背。

 

ツクツクボウシ

  • 触角の付け根から4番目の節は3番目より短い。
  • うす茶色で光沢が無い。
  • 猫背にならず背筋がのびる。

 

夏休み環境学校「親子体験! セミの羽化観察会」

日時:令和6年7月27日(土)18:30~20:30

>>>申し込みはエコパークさがみはらをご覧ください。


監修 : 相模原市立博物館

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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