【橿原市昆虫館だより】20年ほど前から日本に定着しました「ヒメアサギマダラ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
奈良
動物園だより
2024.06.10

【橿原市昆虫館だより】20年ほど前から日本に定着しました「ヒメアサギマダラ」

目次 [非表示]

今月のどうぶつ:ヒメアサギマダラ

学名:Parantica aglea
タテハチョウ科 マダラチョウ亜科
生息地:日本では沖縄県の八重山諸島

左:幼虫、右:さなぎ

ヒメアサギマダラの特徴

ヒメアサギマダラは、はねを広げると6㎝ほどになります。はねはうすい青色で、黒色のしま模様があります。よく似たリュウキュウアサギマダラと比べると、ヒメアサギマダラの方が少し小型です。さらに、はねの青色が少しうすく、腹部の側面が黄色をしています。また、オスの後ろばねの裏側には、黒色が少しこい部分があり、性票と呼ばれています。幼虫の色はこん色で、白と黄色の斑点があります。また、前方に2本、後方に2本、やわらかいツノがあります。ただし、さすような毒はありません。さなぎは、あざやかな緑色で、黒と銀色の点模様があります。

上:ヒメアサギマダラ、下:リュウキュウアサギマダラ

20年ほど前から日本に定着しました

もともとヒメアサギマダラは、たまに台風などに乗って日本へ飛んでくる迷蝶でした。でも、2000年代前半ごろから、沖縄県の石垣島や西表島に定着。日常的に見ることができるチョウになってきました。成虫は、他のマダラチョウの仲間と同じように、ふわふわと花の周りを飛んで、時に花に止まり、みつを吸っています。

橿原市昆虫館では、野生のメスから採卵したものをときおり育てていますが、飼育したものから再び採卵してはんしょくさせる累代飼育には成功していません。そのため、温室で見ることができる時期は、限られています。

オスのヒメアサギマダラ。
後ばねの黒色がこい部分が性票

かしはらしニュース

タイワンキマダラを、試験的に育てました

野外で採集したタイワンキマダラのメスから、卵を5個集めることができたので、飼育を試みました。手探り状態で飼育したため、羽化させることができたのは2ひき。今後の飼育技術の確立につながる幼虫の育ち具合や、さなぎの姿、放蝶温室での成虫の飛び方を確認できました。


写真提供:橿原市昆虫館

協力・監修:橿原市昆虫館
奈良県橿原市南山町624
TEL:0744-24-7246
https://www.city.kashihara.nara.jp/kanko_bunka_sports/konchukan/index.html

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

この記事の関連ワードKEYWORD
おすすめの関連記事RECOMMEND
人気の記事RECOMMEND
1
2
3