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地球上のたくさんの生き物がつながり、関わり合いながら生きていることを「生物多様性」といいます。私たちは、豊かな生物多様性により、さまざまなめぐみを受けています。今回は、生物多様性の大切さについてくわしく見てみましょう。
豊かな生物多様性と生態系サービス
地球上には、たくさんの生き物がいます。私たち人間の他に動物や植物、クジラのように大きなものから目に見えないものまで、約3,000万種類が暮らしているといわれています。たくさんの生き物がいて、直接的・間接的にそれぞれ関わり合いながら生きていることを「生物多様性」といいます。
私たちも、たくさんの生き物と関わり合いながら生きています。そして、豊かな生物多様性に支えられた「生態系」がもたらすめぐみを受けています。例えば、空気。これは植物が作ってくれます。地球上に木も草も海藻も無ければ、息が吸えません。植物が集まる森は、雨水をゆっくり流してきれいにしたり、洪水を防いでくれたりします。私たちが食べる肉や魚は、その生き物がいてくれるから味わえます。
このような生態系からもたらされるめぐみを、「生態系サービス」といい、4つに分類されます。くわしくは表1を見てみましょう。
生物多様性が失われる危機
「生態系サービス」は、私たちの生活に欠かせないものです。もしも生物多様性が失われてしまったら、そのめぐみを受けることはできません。生き物が1種絶滅すると、どれだけの大切な関わりが失われるか分かりません。しかし、日本の生物多様性は失われようとしています。生物多様性の4つの危機と主な原因について、表2でくわしく見てみましょう。
【表1】 豊かな生物多様性がもたらす
4つの生態系サービス
1. 基盤サービス
生き物が生きていくための基盤は、多くの生き物の営みにより支えられている。
例)・酸素を生む植物 ・水循環のバランスを 整える森林 ・豊かな土壌
2.供給サービス
私たちの生活に必要なものを供給している。
例)・食料、衣類、木材など
3.文化的サービス
自然や生き物にふれることで、精神的にさまざまな影響を受けている。
例)・生活にうるおいをあたえる観光、文化、デザインの素材など
4.調整サービス
私たちが安心して暮らせる環境を整えている。
例)・安全な水 ・山地災害の軽減・土壌流出の防止
【表2】生物多様性の
4つの危機と主な原因
危機1
生き物の種や、すむ場所が減っている!
原因
開発による生息・生育地の減少や乱獲
危機2
自然の質が 低下している!
原因
里地里山など の手入れ不足
危機3
生態系が破壊 されている!
原因
人間が持ちこんだ外来種や化学物質、プラスチックごみなど
危機4
地球環境が 変化している!
原因
地球温暖化 (寒冷地や高地でしかすめない 生き物の生息地がうばわれている)
生物多様性を守るために、私たちにできる
5つのアクション MY行動宣言
生物多様性を守るために、私たちにも今日からすぐにできることがあります。以下の5つのアクションの中から、やってみたいものを選んで「MY行動宣言」をして、楽しみながら取り組みましょう!
【アクション1】たべよう
地元でとれた物を食べ、旬の物を味わいます。
【アクション2】ふれよう
自然の中へ出かけ、動物園、水族館や植物園などを訪ね、自然の生き物にふれます。
【アクション3】つたえよう
自然のすばらしさや季節の移ろいを感じて、写真や絵、文章などで伝えます。
【アクション4】まもろう
生き物や自然、人や文化との「つながり」を守るため、地域や全国の活動に参加します。
【アクション5】えらぼう
エコラベルなどが付いた環境に優しい商品を選んで買います。
毎年 5月22日は「国際生物多様性の日」
「国際生物多様性の日」とは、国連が生物多様性問題に関する普及と啓発を目的として定めた国際デーです。毎年この日に合わせ、世界共通のテーマに沿って、世界各地でイベントが開催されます。
水道週間
令和6年 6月1日(土)~7日(金)
水道は、私たちの生活に不可欠な水を安定的に供給する施設です。そして生活に欠かすことができません。
水道事業者等を始め、国、都道府県及び水道の関係団体では、より質の高い安全で良質な水を安定的に供給するため、さまざまな取り組みを行っています。
6月1日(土)~7日(金)の「水道週間」では、各自治体や協力団体などが水道の現状や課題について広く国民の理解を深め、今後の取り組みについて協力してもらうためのイベントを開催します。
出典:(公社)日本水道協会
監修:北海道環境生活部自然環境局自然環境課
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。