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静岡市にある南アルプスは、今年、ユネスコエコパークに登録されて10年をむかえるよ。今回は「南アルプスユネスコエコパーク」がどんな場所なのか、どんな動物や植物がすんでいるのか、いっしょに見ていこう。
「南アルプスユネスコエコパーク」はどんな場所?
「ユネスコエコパーク」は、世界遺産を登録するユネスコが、自然と人間社会の共生を目的として始めた取り組み。豊かな生態系を守ることと、人間の社会・経済活動とが両立した持続可能な発展を目指すためのモデルとなる場所だよ。
静岡市にもユネスコエコパークがあることを知っている?静岡県、山梨県、長野県の10の市町村に広がる南アルプスは、「南アルプスユネスコエコパーク」として登録されているよ。静岡市では、南アルプスとそのふもとにある井川地域が登録されているんだ。
10の市町村では「南アルプスユネスコエコパーク」のことを「高い山、深い谷が育む生物と文化の多様性」と表現し、南アルプスの大切な自然や受けつがれてきた暮らし・文化をみんなで守り、これからも続けていこうとしているよ。例えば、南アルプスの山には、ライチョウなどのそこにしかすめない動物や植物がいて、大切にしたい自然が残っているよ。また、山のふもとにある井川地域には、長い時間をかけて育まれた自然のめぐみを生かした暮らしが残っているんだ。
10年をむかえる「南アルプスユネスコエコパーク」
ユネスコエコパークはとても広い場所で、目的ごとに3つの地域に分けられているよ。山や動物、植物などの大切な自然がたくさんある「核心地域」、自然の中で景色を楽しんだり自然について調べたりできる「緩衝地域」、自然を上手く生かしながら人が暮らしている「移行地域」があるんだ(下の図も見てみよう)。
南アルプスユネスコエコパークは、今年(2024年)、ユネスコエコパークに登録されて10年をむかえるよ。みんなで未来に残していくためにも、南アルプスや井川地区に出かけて自然の中で遊んだり、ビジターセンターで学んだりしてみよう。
ユネスコエコパークの3つの地域
【核心地域】
● 一番大切な自然が残っている所
● そこだけにしかすめない動物や植物がいる所
● みんなでずっと守っていく所
【緩衝地域】
● 自然の中で楽しんだり、勉強したり、自然についていろいろ調べたりする所
● 自然の中で楽しめるけど、自然をこわしてはいけないよ
【移行地域】
● 人が住んでも良い所
● 住む人が一番大切な自然のことをいつも見てくれている所
● 自然のめぐみを受けていろいろなおいしい野菜や食べ物がある所
● ずっと自然といっしょに暮らしている所
● 歴史や文化がたくさん残っている所
参考:静岡市発行 環境学習ハンドブック「南アルプスの大自然」「南アルプスユネスコエコパーク」
めずらしい生き物がすむ南アルプス
3,000mをこえる南アルプスは、気温が低くて風も強く、1年の多くが雪におおわれている厳しい場所。ここでは、長い年月をかけて厳しい環境で生きる力を身に付けた、貴重な生き物を紹介するよ。
【動物】
ホンドオコジョ
ノネズミ類や鳥類、昆虫類などを食べる。季節により体の色が変わる。
ライチョウ
地球がとても寒かった「氷河期」に大陸から日本にやって来た貴重な動物。静岡市は、世界のライチョウがすむ場所の中で、最も南にあるよ。数が減っていて、絶滅危惧種に指定されている。
【高山植物】
中には氷河期にライチョウといっしょにやって来た植物もいるよ
ムカゴトラノオ
トラのしっぽのような細長い花を持っている。
タカネマンテマ
寒さから器官を守るため花が提灯のようにふくらんでいる。
チョウノスケソウ
草のように見えるけどしっかりとした幹を持つ木本植物。
写真提供:NPO法人静岡県自然環境史ネットワーク
ドングリの木を植樹しよう!
南アルプスの森づくりツアー
「南アルプスの森づくりツアー」ではこれまで、南アルプスの森でドングリを集めて、苗木に育ててきたよ。今年ついに、この苗木を南アルプスに植樹するんだ。静岡市環境共生課では、いっしょに植えてくれる仲間を探しているよ。募集は9〜10月ごろから開始予定。おうちの人といっしょに参加してみよう。
「夏休み特別授業」に参加して南アルプスのことを知ろう
井川ビジターセンターでは夏休み中、自然の中で楽しく学べる夏休み特別授業を開校。井川の自然の中で遊べたり、自由研究のテーマを見つけたりできるよ。くわしくは随時、静岡市HPで公開するよ。
南アルプスユネスコパーク登録10周年記念
オープニングイベントを開催
南アルプスがユネスコエコパークに登録されて10周年をむかえることを記念して、2024年6月15日(土)、青葉通りでイベントを行うよ。ワークショップが開催され、オクシズグルメのお店も出店予定。くわしくは、今後、静岡市HPで公開するよ。
監修:静岡市環境共生課
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。