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全国的に問題となっている外来生物(外来種)。神奈川県も例外ではないよ。
どういった生物が侵入していて、どのような対策がとられているのか、くわしく見ていこう!
外来生物って何だろう?
外来生物とは、もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって他の地域から入ってきた生物のことを指すよ。
外来生物という言葉を聞くと、海外から日本に持ちこまれた生き物「国外由来の外来生物」のことだと思うよね。実は、在来生物でも日本国内のある地域から、もともといなかった地域に持ちこまれた場合でも、元からその地域にいる生き物に影響をあたえる場合があるんだ。このような外来生物のことを「国内由来の外来生物」と呼んでいるよ。
外来生物による影響と対策
外来生物の中には、牧草や園芸植物のように私たちの生活を豊かにする生き物もたくさんいるけど、これらの生き物が何らかの理由で自然界ににげ出した場合、多くは定着することができないと考えられているよ。ただ、中には、地域の自然環境に大きな影響をあたえ、生物多様性をおびやかす場合も! 生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害をおよぼすもの、または、およぼす恐れがあるものは「特定外来生物」に指定されているんだ。このまま特定外来生物を放置しておけないよね。
そこで、神奈川県ではさまざまな対策を行っているよ。例えば、特定外来生物に指定されているアライグマ。近年、アライグマによる生活環境や農作物への被害が深刻化し、生態系への影響が心配されているよ。そこで、
- えさをあたえない
- ごみ出しは曜日と時間を守る
- 屋根裏などに入りこんで住み着かれないようすきまをふさぐ
といった対策を広く呼びかけているんだ。
また、アライグマと同じく特定外来生物に指定されているクリハラリス(タイワンリス)については、市町村が行う対策の支援を実施。えさを絶対にあたえない、庭のミカン類は収穫・管理する、といった呼びかけもしているよ。
次の「3つの約束」を守って、外来生物を拡げないよう協力してね!
外来生物の被害を予防しよう!「3つの約束」
1.入れない
もともといなかった地域へ外来生物を入れないようにしよう!
2.捨てない
飼っている外来生物を野外に出さないようにしよう!
3.拡げない
野外ですでに繁殖している場合は、それ以上拡げないで!
外来生物があたえる影響とは?
生態系への影響
もともとその地域にすんでいる生き物(在来種)のえさを横取りしたり、在来種を捕食したり、その地域に成立していた生態系のバランスがくずれてしまうんだ。
農林水産業への影響
畑の作物や漁師さんがとる魚を食べてしまうなど、私たちの生活に影響をあたえることがあるんだ。
人の健康への影響
毒を持っていたり、人をかんだりすることにより、私たちの健康に危険がおよぶことがあるんだ。
注意!!
神奈川県で確認されたことがある外来生物
まだ定着はしていないけれど、神奈川県で発見されたことがある外来生物だよ。
ヒアリ
特徴
- 体長は約2.5mm〜6.0mm程度
- 全体は赤茶色でつやつやしている
- 腹部は黒っぽい赤色
- おしりに毒針がある
- 背中に2つのこぶがある
クビアカツヤカミキリ
クビアカツヤカミキリのフラス
特徴
- 体長22mm〜38mm
- 体全体が光沢のある黒色だが、前胸背板は明赤色で側面にがんじょうなとげ状のこぶを一対持つ
- 触角は黒色で体長と同じ長さ、もしくは若干長い
- サクラ、ウメ、モモ、スモモ等の木を食害する
写真提供 : 埼玉県環境科学国際センター
警戒中!!
県内に侵入しそうな外来生物
ツヤハダゴマダラカミキリ
特徴
- 体長は20mm〜35mm、体幅は7mm〜12mm
- 触角の節に白黒しまを持つ
- 触角の長さがオスは体長の2.5倍、メスは1.3倍
- 光沢のある黒色
- 植林地、果樹園、街路樹など、さまざまな樹木に寄生
サビイロクワカミキリ
特徴
- 体長は29mm〜37mm
- 体色は光沢のないさび色(チョコレート色)
- 背面に霜降りのような白く細かい斑紋がある
- 胸部に近い羽部分にブツブツ状の細かい突起がある
- エンジュ、イヌエンジュの木を食害する
写真提供 : 福島県
神奈川県に定着している外来生物
すでに神奈川県に定着してしまった外来生物を見ていこう!
アライグマ
特徴
- 耳のふちが白い
- ひげが白い
- 尾は太く、しましま
- 小動物、果実、ごみなど、何でも食べる
- 山奥から都会まで、どんな場所でも生活できる
クリハラリス(タイワンリス)
特徴
- 耳の房毛がなく、腹が灰色
- 目の周りは白くない
- 静止時に尾は上げない
- 活発に動く早朝に見る機会が多い
- 森林だけでなく、公園や庭にもいる
アメリカザリガニ
特徴
- 何でも食べる雑食性
- 体長は8cm~12cm。大きなものは20cm近くになる
- 赤褐色の色をしていて、大きなはさみが特徴
- オスの方が大きくなる
- 県内河川、池、水田など、流れの少ない泥底の所に広く分布
アカミミガメ
特徴
- 池や流れのゆるやかな川などに生息
- 何でも食べる雑食性
- 顔の横に赤いライン、こうらには黄色や黒のしま模様が入る
- 大きさは甲長(真上からこうらを見てタテ方向の直線の長さ)が最大でオス20cm、メス28cmになる
アルゼンチンアリ
特徴
- 体の色は茶色(赤褐色〜黒褐色)
- 大きさは2.5mm〜3.0mm
- スマートな体をしている
- こしのくびれが目立たない
- 体のつやが弱い
- 高速でせわしなく歩く
- 数が多いときには行列が帯状になる
- 建物の中まで行列が入る
- 色の濃淡がない
写真提供 : 環境省
協力:神奈川県
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