【マリンピア日本海だより】姿も味もエレガント「ヤナギムシガレイ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
新潟
動物園だより
2024.04.09

【マリンピア日本海だより】姿も味もエレガント「ヤナギムシガレイ」

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今月のどうぶつ:ヤナギムシガレイ

学名:Tanakius kitaharae
カレイ目 カレイ科
生息地:日本周辺の水深100~200mの砂泥底

独特な形のヤナギムシガレイ
※写真提供:JF新潟漁連

姿も味もエレガント

他のカレイと同じように、ヤナギムシガレイも海底にひそむのに適した平たい体を持ち、目が2つとも右側にあります。他のカレイとちがうのは、細長い体です。「ヤナギムシガレイ」という名は、ヤナギの葉を連想させる姿に由来します。「柳都」という別名を持つ新潟の特産品としてふさわしい魚だといえます。

ヤナギムシガレイがノドグロと並ぶ新潟の代表的な魚とされているのは、その味のためです。繊細で上品な味わいで評判のヤナギムシガレイは、カレイの中でもとりわけ美味と評されています。産卵期の前の10月から12月までが食べごろで、程よく水分がぬけて身がしっとりする一夜干しが特に絶品として知られています。

ヤナギムシガレイの一夜干し
※写真提供:JF新潟漁連

「まぼろしの魚」からの復活

高価で取引される重要な水産資源であるヤナギムシガレイは、かつて新潟で年間200tほどの水あげがありました。しかし、1990年にその量が10tにまで落ちこみました。その後、漁業者たちが全国初の種苗放流やあみの目合いの拡大による小型魚の保護などに取り組み、資源復活に成功しました。今では、年間約100tの安定的な水あげがあります。

マリンピア日本海では、ヤナギムシガレイの人工授精に取り組んでいます。ヤナギムシガレイは底引きあみで漁獲されるので生体の確保が難しく、鮮魚から採取した卵と精液での人工授精を実施しています。2020年には40~65%の受精率を実現しました。くわしくは、特別展示で紹介しているので、ぜひ見に来てください。

人工育成したヤナギムシガレイ

マリンピアニュース

ふるさと新潟の魚

新潟の水産物といえば、何を思いうかべますか? この企画展示では新潟県と新潟市の推進する水産物に焦点を当て、食の魅力とマリンピア日本海の取り組みを紹介します。「ふるさと新潟の魚~県の推進ブランド・市の銘産品~」を3月16日(土)から6月16日(日)まで、本館1階の企画展示室で開催します。


写真提供/新潟市水族館マリンピア日本海

協力・監修/新潟市水族館マリンピア日本海
〒951-8555 新潟市中央区西船見町5932-445
TEL 025-222-7500
https://www.marinepia.or.jp/

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エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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