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今月のどうぶつ:クモマツマキチョウ
学名:Anthocharis cardamines
チョウ目 シロチョウ科
生息地:本州の高い山とユーラシア大陸の寒い地方
オスは前ばねの鮮やかなオレンジ色が特徴です(上:オス、下:メス)
南アルプスにすむ美しいチョウ
静岡市の北に位置する南アルプスは、深い谷と高い山のある自然の豊かな所です。クモマツマキチョウは、南アルプスにすむ「高山チョウ」で、標高1000mから2000mくらいで見られます。このチョウは海外では、ヨーロッパからロシアにかけてユーラシア大陸の寒い地域に広く分布していますが、日本では本州中部の高い山だけに生息しています。静岡市は、この分布範囲の中でも、一番南のはじにあたります。寒かった氷河時代には、日本でも今より広い範囲に生息していたのですが、暖かくなるにつれて分布がせまくなり、今の生息範囲になったと考えられます。
ツマキチョウのオス
シロチョウ科の仲間たち
静岡県には142種のチョウがいて、その中にはクモマツマキチョウなどのシロチョウ科が12種ふくまれています。よく知られているモンシロチョウやモンキチョウもその仲間です。スジグロシロチョウの幼虫は、静岡の特産品であるワサビの葉が大好物で、わさび田でよく見られます。クモマツマキチョウに最も近い仲間であるツマキチョウは、年に一度、春にだけ成虫が出現するため「春の妖精」と呼ばれていて、日本平周辺の草地でも見ることができます。
ミュージアムの展示室7では、ここで紹介したチョウをはじめ、静岡県にすむチョウ全ての種の標本が勢揃いしています。ぜひ見に来てください。
展示室に並ぶチョウの標本
ふじのくにニュース
学校を改修したミュージアム
ミュージアムでは、「百年後の静岡が豊かであるために」をテーマに、11の展示室をめぐりながら、人と自然の関係について学ぶことができます。身の回りの自然環境や環境問題を知り、豊かさとは何かを考えてみましょう。建物は元高校校舎を再利用して作られています。あちこちに残っている学校の雰囲気も楽しんでください。
写真提供:ふじのくに地球環境史ミュージアム
協力・監修/ふじのくに地球環境史ミュージアム
静岡県静岡市駿河区大谷5762
TEL 054-260-7111
HP https://www.fujimu100.jp/
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。