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みんなは、おうちのごはんや学校の給食を残さず食べているかな? 日本では、まだ食べられる食品が、毎日たくさん捨てられてしまっているんだ。今回は、食品ロスのことや相模原市の学校給食の取り組みについて、いっしょに見てみよう!
もったいない!食品ロス
まだ食べられるのに捨てられる食品のことを「食品ロス」というよ。日本では、1年間で約523万t(令和3年度)もの食品ロスが発生しているんだって。これは、国民全員が毎日おにぎり1個分を捨てているのと同じ量になるんだ。とてももったいない!
家庭から発生する食品ロスの原因は、大きく3つあるといわれているよ。
①作り過ぎなどの「食べ残し」
②期限切れなどで食べずにそのまま捨ててしまう「直接廃棄」
③料理のときの野菜の皮のむき過ぎなど、食べられる所も捨ててしまう「過剰除去」
みんなの毎日の行動が、食品ロスを減らすカギになるんだ。
貧困や環境問題にもつながっている
食品ロスの問題は、貧困や環境問題にもつながっているよ。図1を見て分かるように、食べ物に困っている人々に支援される食品の量よりも、日本の食品ロスの量の方が多いんだ。
また、捨てられた食品には多くの水分をふくむので、ごみとして焼却される際にたくさんのエネルギーが必要となる。地球温暖化の原因となるCO₂の排出量が増えてしまうんだ。さらに、食品を作ったり、運んだりすることにも、エネルギーや水が使われるので、食品ロスにはたくさんのむだが生じるよ。環境問題にもつながっているんだね。
図1
日本の食品ロスの量は、世界の食料支援量の1.2倍!
貧困などで苦しむ世界の人々に支援される食品の量(食料支援量・約440万t)より、日本の食品ロスの量(約523万t)の方が多く、約1.2倍にもなるよ。
出典:農林水産省及び環境省推計(令和3年度)、国連WFP協会(年次報告書2021)
小学校の給食残さ飼料化の取り組み
みんなが暮らす相模原市では、給食残さの飼料化に取り組んでいるよ(17校、1センター)。「給食残さ」というのは、小学校の給食室や給食センターで発生した調理くずや食べ残しなどのこと。給食に使った野菜の皮や食べきれず残してしまったパンなどを生ごみとして捨ててしまうのではなく、家畜用の飼料にリサイクルすることで、食品ロスを削減しているんだ。
給食残さの飼料化は、持続可能な社会を実現していくために大事な取り組みの1つ。環境保護や食料の安定供給など、たくさんのプラスの効果があるよ。みんなで食べ物を大切にして、食品ロスを削減していこう!
お店から出された売れ残りのおにぎりやパン
食品リサイクル「エコフィード」って知ってる?
捨てられた食品を家畜用飼料に利用!
エコフィードは、環境の「エコ(eco)」と飼料を意味する「フィード(feed)」を合わせた言葉。食品廃棄物を利用して製造された家畜用飼料のことだよ。相模原にある会社、(株)日本フードエコロジーセンターでは、さまざまな食品廃棄物を分別・破砕・殺菌・発酵処理して、液体状の飼料(リキッド発酵飼料)を製造しているんだって。その飼料を農家さんが使用して豚を飼育していて、「優とん」というブランド豚が販売されているよ。
エコフィードの特徴
1.乳酸発酵をするので保存性が高い。
2.水分の多い食品廃棄物も乾燥させずにそのまま活用することができる。
3.エコフィードを活用することで、石油などの消費量を減らし、食品廃棄で発生するCO₂を削減することができる。など
相模原市中央区にある(株)日本フードエコロジーセンター
工場の機械に廃棄食品を投入している様子
液体の発酵飼料
野菜やくだものなど、いろいろな食品が飼料になるよ
エコフィードで育った豚肉を使用!
給食でSDGsを学ぼう!
(一社)食品ロス・リボーンセンターの協力により、相模原市内13校の小学校でSDGs給食を実施したよ。今年2月2日(金)、富士見小学校の4年3組(当時)のみんなが、エコフィードで飼育された豚肉「優とん」を使ったSDGs給食を食べたんだ。
当日は、みんなで考えた献立を本村市長といっしょに味わったんだって。給食の後は、児童のみんながSDGsの取り組みを発表したよ!
日時 令和6年2月2日(金)12:10~12:40
場所 富士見小学校
献立 ごはん、豚肉のしょうが焼き、かきたま汁、牛乳
エコフィードを使った豚肉は、「優とん」や「旨香豚」としてスーパーなどで販売されているよ。見かけたら、おうちのメニューにも取り入れてみてね!
監修 : 相模原市学校給食課
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。