【上野動物園だより】日本の動物園から姿を消してしまうかもしれない「ホッキョクグマ」の繁殖成功を目指して|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
東京
動物園だより
2024.03.04

【上野動物園だより】日本の動物園から姿を消してしまうかもしれない「ホッキョクグマ」の繁殖成功を目指して

目次 [非表示]

今月のどうぶつ:ホッキョクグマ

学名 : Ursus maritimus
分類:食肉目 クマ科
生息地:北極圏

上野動物園で見られる北極圏の動物

シロフクロウ
学名:Bubo scandiacus

スバールバルライチョウ
学名:Lagopus muta hyperborea

国内のホッキョクグマ飼育の現状

ホッキョクグマは飼育下での繁殖が難しく、高齢化により国内での飼育頭数が年々減っていて、このままでは55年後には日本の動物園からいなくなってしまうともいわれています。

しかし、絶滅が心配されているホッキョクグマを野生から新たに連れてくることはできません。そのため現在は、動物園のホッキョクグマを未来に残していくために、国内の動物園全体が協力して繁殖計画を進めています。以前は上野動物園ではメスのみを飼育していましたが、この繁殖計画により2015年に円山動物園からオスが引っこしてきました。そして翌年から、オスとメスを繁殖期に同居させて繁殖を目指してきました。これまで成功していませんが、2頭の関係性は年々良くなってきています。

同居初日にプールで遊ぶ2頭

上野動物園での初の繁殖にむけて

ホッキョクグマは、生まれたときの体重が500gほどしかありません。野生の母グマは出産前にたくさん栄養をとり、雪や土にほった穴の中で出産し、数カ月の間、何も食べずに子育てをします。動物園でも栄養豊富なえさをたくさんあたえて、穴の代わりに暗くてせまい産室を準備し、落ち着いて出産できる環境を整える必要があります。

今年も繁殖のための同居を実施しました。これからは、メスが妊娠しているかどうかを注意深く観察しながら、上野動物園で初めての赤ちゃん誕生に向けて、メスの栄養管理や、出産に向けた環境作りを進めていきます。

うえのニュース

不忍池でバードウォッチング!

世界湿地の日(2月2日)の記念企画として、園内の不忍池に生息するカワウやカモなどの観察を行いました。望遠鏡を使って野鳥を観察するのは初めてという参加者も多く、動物園のボランティアとともに鳥の種類を見分けたり、羽の色や行動をじっくり観察したりして、バードウォッチングを楽しみました。


写真提供:公益財団法人東京動物園協会

恩賜上野動物園
東京都台東区上野公園9−83
TEL.03-3828-5171
https://www.tokyo-zoo.net/zoo/ueno

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

この記事の関連ワードKEYWORD
おすすめの関連記事RECOMMEND
人気の記事RECOMMEND
1
2
3