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今月のいきもの: ムラサキオオクダホコリ
学名:Siphoptychium violaceum
ドロホコリ目 ドロホコリ科
生息地:和歌山県、滋賀県
変形菌(粘菌)の一種、ムラサキオオクダホコリは、オオクダホコリ、フトアミオオクダホコリとともに、オオクダホコリの仲間(属)に属しています。本属は、最近の研究により、2019年にクダホコリ属から独立した新属です。
ムラサキオオクダホコリの子実体の表面は、むらさき色を帯びる暗褐色で、長さは最大8㎝ほどです。川上新一主査学芸員は、2020年11月に和歌山県田辺市の山中で発見された標本をムラサキオオクダホコリと同定し、日本新産(初記録)種として2023年日本菌学会大会で発表しました。その後、滋賀県にも本種が分布していることが分かりました。
変形菌オオクダホコリの仲間(属)とは
近年の研究により、2019年にクダホコリ属から独立して新属オオクダホコリ属が設立されるとともに、本属に属する2新種、ムラサキオオクダホコリとフトアミオオクダホコリが発表されました。
オオクダホコリの仲間(属)は、主に秋から初冬にかけて、山地のくち木に発生します。これらの子実体は、変形菌の中では非常に大きく、平たい形からまくら状の形をしており、密着した多数のはば0・5㎜ていどの細長い子嚢(胞子がつまった袋状の構造)からできています。
今後の調査にご期待ください!
フトアミオオクダホコリの子実体は、表面が赤褐色で、長さは最大7㎝ほど。子嚢間をつなぐあみ状の部分が太いという特徴があります。川上主査学芸員は、2012年11月に山形県で採取された標本をフトアミオオクダホコリと同定し、日本新産(初記録)種として2022年日本菌学会大会で発表しました。
もう一種、同属のオオクダホコリは、本州および四国の山地に分布しています。表面は明褐色から暗褐色で、子嚢の真ん中に「軸柱」と呼ばれる柱状の構造があることが知られています。これら3種の分布はまだよくわかっていないので、今後も野外調査や標本調査が必要です。
フトアミオオクダホコリ子実体の一部 |
オオクダホコリ子実体の一部 |
和歌山県立自然博物館ニュース
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写真提供・協力・監修:和歌山県立自然博物館
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