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今月のどうぶつ:ナガサキアゲハ
学名:Papilio memnon
アゲハチョウ科
生息地:日本の本州(関東以西)から南西諸島、中国や台湾、東南アジア
サナギになる前の段階の幼虫。胸には目玉模様、腹部の側面から背中側には白っぽい帯状の模様がある。
最大級の大きさのチョウ
ナガサキアゲハは、羽を広げると11~14㎝にもなります。これは、日本のチョウの中では最大級の大きさです。オスの羽は、わずかに青みがかった黒色をしています。メスの羽は、灰色がかった黒色で、後羽の中央に白い模様があります。
日本で見られるナガサキアゲハには、他の多くのアゲハチョウの仲間のように、後羽に尾状につき出した部分(尾状突起)がありません。でも、南西諸島に生息するナガサキアゲハのうち、ごく一部のナガサキアゲハのメスには尾状突起があります。尾状突起があるものは有尾型、無いものは無尾型と呼ばれています。
奄美大島産ナガサキアゲハ(メス・有尾型)
地球温暖化により、分布が広がっています
1990年代は、西日本以西・以南でしか見ることができなかったナガサキアゲハ。現在は、日本での分布を東や北に広げ、関東地方でも見られるようになりました。市街地では見かける機会は少ないですが、幼虫の食草であるかんきつ類が植えてあれば、飛んで来ることがあります。橿原市昆虫館の温室でもよく飛んでくれるため、暖かい季節には比較的多く飛ばしています。でも、冬場は温度の低下や日照時間のわずかな低下が刺激となり、サナギが羽化するまでに時間がかかるため、飛ばす数が少なくなってしまいます。
温室で飼育しているナガサキアゲハ(オス)
かしはらしニュース
橿原市昆虫館の標本をもとにして、新種が記載されました!
当館が収蔵する標本をもとにして、千葉大学の笹川幸治准教授により、新種「スズカヒメマルクビゴミムシ(学名 Nebria suzukana)」が記載されました。日本にもまだまだ新種がねむっていることが示された、素晴らしい成果です。写真は、スズカヒメマルクビゴミムシのホロタイプ標本。種の基準となる重要な標本です。
写真提供:橿原市昆虫館
協力・監修:橿原市昆虫館
奈良県橿原市南山町624
TEL:0744-24-7246
https://www.city.kashihara.nara.jp/kanko_bunka_sports/konchukan/index.html
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