【釧路市動物園だより】アメリカ合衆国の国鳥「ハクトウワシ」｜地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア

釧路市動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介します。

今月のどうぶつ：ハクトウワシ

タカ目　タカ科
【生息地】北米大陸の沿岸や河川、湖沼

釧路市動物園ではオス1羽とメス1羽を飼育しています。

アメリカ合衆国の国鳥ハクトウワシ

国鳥は国歌や国旗のように国のシンボルとされる鳥のことです。これは法律に基づいて定められる場合や、その国の人と鳥との歴史的な関係などから選ばれることもあります。日本の国鳥はキジです。この鳥は古くからかりの対象であったことや、桃太郎に代表される民話や童謡で国民に広く親しまれていることから、1947年に日本鳥学会によって選定されました。

アメリカ合衆国の国鳥は、ハクトウワシです。大型のもうきん類で、羽を広げると2ｍをこえる個体もいるそうです。羽は褐色で、かたから頭部が白色、くちばしはあざやかな黄色です。生息地は北米大陸の沿岸や河川、湖沼などで、主に魚類を食べます。越冬のため大陸内でわたりを行いますが、2020年と2021年に根室市の風連湖周辺に飛来したことがあります。

北米大陸の先住民族は、この鳥を神聖なものとして信仰していました。その後、イギリスからの独立戦争を背景に、1782年にハクトウワシの図案を新国家の紋章とすることが議会で決定されました。これ以降、ハクトウワシは貨幣やパスポートなどさまざまな物にアメリカ合衆国の象徴としてえがかれています。

オスのフジ

仲良し夫婦のフジとカズエ

釧路市動物園では2羽のハクトウワシを飼育しています。オスのフジは1989年、メスのカズエは1985年生まれで、高齢といわれる年齢です。とても仲良しの夫婦で、1999年5月に国内では初めて自然ふ化・^※育すうに成功し、日本動物園水族館協会から繁殖賞を受けました。また、5羽以上の繁殖実績があることが、記録から分かっています。フジとカズエに、どうぞ会いに来てくださいね。

※育すう…卵からかえったひな鳥を育てること。