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今月のどうぶつ:タツノオトシゴ
学名:Hippocampus coronatus
トゲウオ目 ヨウジウオ科
生息地:主に熱帯から温帯の沿岸や浅海
日本の静岡県以南の海に生息するクロウミウマ(左)と南日本の温帯域に生息するタカクラタツ(右)
辰(ドラゴン)、それとも魚?
タツノオトシゴは1種の魚の標準和名でもあり、50種類いるタツノオトシゴ属の総称でもあります。小さいものは約1・4㎝、大きいものは約35㎝ほどになります。直立して頭が前を向く姿が辰(ドラゴン)や馬に似ていることから「タツ」や「ウマ」が名前に付く種が多いです。
横にのびた姿勢をとるほとんどの魚とちがって、タツノオトシゴはどうして「立つ」ことができるのでしょうか?体の軸が縦になっているというのもありますが、尾も特殊です。タツノオトシゴ類は、尾を海藻に巻き付けて体を上下に動かし、細長い口でプランクトンなどを吸いこみます。吸引速度は1,000分の6秒ととても速く、一瞬で終わります。
海藻に尾を巻き付けるタツノオトシゴ
出産、それとも産出?
マリンピア日本海では、新潟の海にも生息するサンゴタツという種を展示しています。サンゴタツの繁殖にも取り組んでいます。オスのふくらんだ腹から成魚そっくりの小さな稚魚が出てくるところを見れば、まるで出産のようだと思うかもしれません。しかし、これは出産ではなく、産出です。
タツノオトシゴ属のメスは、オスの「育児のう」というふくろの中に卵を産み付けます。卵は3週間前後でふ化し、稚魚になるまで育児のうの中で育ちます。産出されたばかりの稚魚でも、成魚と同じように海藻などに巻き付くことができます。サンゴタツは潮風の風景ゾーンのアマモ場水槽や育成室などに展示していますので、ぜひ見に来てください。
タツノオトシゴの稚魚。
生後1カ月(左)と1週間(右)
マリンピアニュース
その色の意味は?
派手な色やしま模様、幼魚と成魚でちがう模様など、魚の「色」は本当に「色々」。企画展示「魚の色」では、普段何気なく見ている魚の色に焦点を当て、体験できるコーナーなど、さまざまな展示を通して生物の生息環境と体色の関係について紹介します。現在、本館1階企画展示室で展示中。2月25日(日)までご覧いただけます。
写真提供/新潟市水族館マリンピア日本海
協力・監修/新潟市水族館マリンピア日本海
〒951-8555 新潟市中央区西船見町5932-445
TEL 025-222-7500
https://www.marinepia.or.jp/
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