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今、山の手入れがされず、元気を失いつつある森林が増えている。でも、森林が元気だと、どんな良いことがあるんだろう?森林の働きを知り、私たちがどう関わっていけば良いか、いっしょに考えてみよう。
元気な森ってどういうこと?
日本は、世界でも有数の森林国。なんと、国土の約7割が森林なんだ。森林は、木材を供給してくれるだけではなく、洪水や土砂くずれを防ぎ、CO₂を吸収して地球温暖化を防止するなど、大切な役割を持っているよ(図1)。森林が元気だと、こうした機能を十分に発揮して、豊かな自然と私たちの暮らしを支えてくれるんだ。
森林の約4割は、人の手で植えられた、スギやヒノキなどの「人工林」。人工林を元気に保つためには「伐って、使って、植えて、育てる」を循環させることが必要だよ。植えて育てる、といった手入れを適切に行い、適度な量の木を伐って使うことが大事なんだ。
大切なのは、人が森林と関わること
人工林に人が入らなくなって、手入れしないまま放っておくと、どうなるんだろう?ひょろひょろの木が、ぎゅうぎゅうに生えてしまい、幹も根っこも十分に成長できなくなってしまうんだ。太陽の光は、地面まで届かないから、木の下に草が生えず、大雨が降ると土砂が押し流されて山があれたり、人々の生活をおびやかすような被害も出てしまったりするよ。
そうならないために、「木こり」と呼ばれる林業にたずさわる人たちが人工林の手入れをしているよ。木こりの仕事は、「間伐」(健康な木を育てるために一部の木を間引くこと)などを通して、森林の持つ力を最大限引き出すことなんだよ。下の図2・図3でくわしく見てみよう。
私たち1人1人が国産の木材を利用すれば、木を植えて、育てるサイクルがうまく回り、日本の森林と木こりの仕事を守ることにつながるんだ。静岡市では、市内で生産されたスギやヒノキが建物や家具などに使われているよ。森林を元気に保つ方法は、日本の木を使う他にも、いろいろあるから、何ができるか考えてみよう。
図1
森林の主な働き
木材の生産
木材を供給してくれる。木は、私たちの暮らしに欠かせない素材だよ。
CO₂を減らす
地球温暖化の原因になるCO₂を吸収し、大気中のCO₂を減らすことができる。
土砂くずれを防ぐ
木や下草の根が土を固めて、土砂が流れ出るのを防いでくれる。
洪水を防ぐ
雨水は、森林の土の中でスポンジのようにたくわえられ、ゆっくり流れ出ることで、洪水などを防いでくれる。
豊かな海を育む
雨水が森林の土を通ることで、必要な栄養素もふくんだきれいな水になり、川から海へと流れ出るよ。
図2
木こりはどんな仕事をするの?
人工林の主な手入れ
植林
畑やハウスで育てられた苗木を1本ずつ手で植えるよ。植林は人工林の始まり。
下刈り
苗木が雑草に負けないように、カマや草刈り機などで草やツルを刈り取るよ。
除伐
若い木の中で、成長が悪い木や他の木の成長をさまたげている木を伐るよ。
間伐
木が大きくなって混み合ってくると木がひょろひょろに細くのび、森林内に日光が届かなくなる。木を間引いて、木の成長を助けるよ。
主伐
木が一定の樹齢(60年前後)になると伐採して、木材を収穫するよ。収穫した後は、植林をして再び木を育てるんだ。
図3
森林を元気に保つキーワードは「伐って、使って、植えて、育てる」
引用:林野庁「女性が活躍する林業の仕事ガイド」
「オクシズ材」を使って、オクシズの森林を守る
静岡市の約8割は、森林が占める山間地。「オクシズ」と呼ばれているよ。この地域で生産されたスギやヒノキは「オクシズ材」として、静岡市役所の食堂をはじめ、市内の小学校や保育園など身近な場所で使われているよ。
静岡市役所食堂 茶木魚
内装材にオクシズ材を使用。木の香りがいやしとぬくもりをあたえてくれるよ。
元気な森林づくりのためにできること
森林を元気に育てるためにできることは、いろいろあるよ。
1人1人ができることから始めてみよう。
● 身近にある家具や建物で、木が使われているか調べてみよう
● 国内の間伐材を使った紙や木製品などを使おう
● 森林公園などに遊びに行き、森や木の様子を観察してみよう
● 植樹や間伐などを体験してみよう
参考:林野庁「美しい森づくり」
「高山・市民の森」で森林とふれ合おう
「高山・市民の森」で森の中を歩いたり自然観察をしたりしてみよう。令和6年5月ごろから、森林教室や昆虫教室などのさまざまなイベントを実施予定。インストラクターといっしょに園内を散策し、運が良ければ天然記念物のカモシカに遭遇できるかも。親子で参加してみてね。
>>>オクシズHPで園内パンフレットやイベント情報をチェックしよう
監修:静岡市 中山間地振興課
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。