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今月のいきもの: カライワシ
学名:Elops hawaiensis
カライワシ目 カライワシ科
生息地:本州以南の暖かい海
ガラスのように透明な、カライワシの赤ちゃん(レプトケパルス幼生)
カライワシは何の仲間?
今回紹介するカライワシという魚をご存じの方は少ないかもしれません。本州以南の西太平洋、インド洋の主に熱帯・亜熱帯域の海を中心に分布し、国内では沖縄県などでよく見られます。本州では、まれに定置網に混入したり、サビキつりでつれたりすることがあります。
カライワシは、銀色のスマートな体形をしており、名前の通りイワシのようです。でも、マイワシやカタクチイワシなどのイワシはニシン目、カライワシはカライワシ目と、全く別のグループに属しています。目というのは、生物を仲間分けする単位です。細かい方から並べると、種、属、科、目、綱、門、界となります。目は、そこそこ大きな単位といえますね。さらに、近い目を束ねた単位を、上目といいます。カライワシの属するカライワシ目は、カライワシ上目に属します。このカライワシ上目には、ウナギやアナゴ、ウツボなどが属するウナギ目も属しています。つまり、カライワシはイワシではなく、ウナギに近い仲間なのです。
身近に見られるレプトケパルス幼生
カライワシとウナギが親戚である証拠に、赤ちゃんのときは、両方ともヤナギの葉のような形をした“レプトケパルス幼生”であるということが、共通しています。人間でも、親戚の子ども同士が集まると、なんだか似ているということがありますが、それと同じような感じでしょうか。ウナギのレプトケパルス幼生は、はるか外洋まで行き、あみを引かないと出会えませんが、カライワシの幼生は、河口域に現れ、集魚灯採集でつかまえられます。見た目は、透明でガラスのようです。機会があれば、ぜひ観察してみてください。
集魚灯で採集したカライワシ
和歌山県立自然博物館ニュース
2024年2月25日(日)白浜町で開催!
自然博物館体験教室「光で魚を集めよう」
夜間にライトを照らすと、魚やエビ、カニなどが集まってきます。ときには、小さな魚などを食べるため、大きな魚が現れることも。小さな生き物たちがくり広げる生存競争を、観察してみませんか?申し込みは2024年2月4日(日)まで。くわしくは当館ホームページをご覧ください。
写真提供・協力・監修:和歌山県立自然博物館
和歌山県立自然博物館
〒642-0001 和歌山県海南市船尾370-1
TEL 073-483-1777
https://www.shizenhaku.wakayama-c.ed.jp/
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