【静岡市立日本平動物園だより】2000万年前とほぼ同じ姿「ツチブタ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
静岡
動物園だより
2023.12.04

【静岡市立日本平動物園だより】2000万年前とほぼ同じ姿「ツチブタ」

目次 [非表示]

今月のどうぶつ:ツチブタ

学名:Orycteropus afer
管歯目(ツチブタ目) ツチブタ科
生息地:アフリカのサハラ以南にまばらに生息

夜の暗闇で行動するため、視力はあまり役に立ちません。そのかわり、嗅覚が発達していて、主食であるシロアリを上手に探し当てます。

2000万年前とほぼ同じ姿

日本平動物園には、昼と夜を逆転させた「夜行性動物館」があります。今回はこの建物にいる夜行性動物のツチブタを紹介します。

ツチブタはその呼び名から「ブタ」の仲間だと思われがちですが、実は全くちがいます。「管歯目(ツチブタ目)」の唯一の種で、仲間はいません。私たちヒトが属する霊長目には500種以上の仲間がいることを考えると、さみしいですね。はるか昔には、ツチブタにも多くの仲間が生存しましたが絶滅し、17種が化石として発見されました。ちなみに約2000万年前から姿や形が大きく変化しておらず、「生きた化石」といわれることもあります。

夜に活動する夜行性動物のツチブタ

巣穴は他の動植物の役に立つ?

ツチブタはアフリカの生態系の中で、「縁の下の力持ち」として大切な存在です。穴ほり能力が非常に高く、なんと一夜で3mほどの巣穴をほることができます。巣穴は、ハイエナやイボイノシシ、ヤマアラシなどのすみ家にもなります。また、ツチブタが使わなくなった巣穴は、低温でかわいていて、土がよく耕されているため、多くの植物が育ちます。

このようにツチブタは生態系で大きな役割を果たしていますが、それが分かったのは最近のことです。複雑な生態系には、私たちの知らない「助け合い」がまだまだかくれているのかもしれません。野生動物を守るということは、こうした命の関わり合いすべてを守っていくことでもあるのだと思います。

鼻を使ってえさを探します

日本平動物園ニュース

「冬の動物園まつり」の開催

令和5年12月23日(土)から令和6年1月8日(月・祝)まで、「冬の動物園まつり」を開催します。期間中は、観察・体験イベントが盛りだくさん。ビジターセンターでは毎年恒例の干支展も行います。冬休みは、動物たちをじっくり観察し、それぞれの生態を楽しく学びましょう!休園日は12月25日(月)・12月29日(金)〜1月1日(月・祝)です。


写真提供・協力・監修:静岡市立日本平動物園

静岡市立日本平動物園
静岡市駿河区池田1767-6
TEL 054-262-3251
https://www.nhdzoo.jp/

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

この記事の関連ワードKEYWORD
おすすめの関連記事RECOMMEND
人気の記事RECOMMEND
1
2
3