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昔に比べると、東京都の空気はきれいになったよ。でも、大気汚染がゼロになったわけではないんだ。どういった問題があるのか、その対策方法と共に学んでいこう!
経済成長と共に大気汚染も進行
1950年代の東京は、日本経済が急成長した高度経済成長にともなって、たくさん建てられた工場から多くの大気汚染物質が排出されるなど、大気汚染が問題視されるようになったよ。例えば、都心に建てられた高層ビルから出される暖房用ボイラーのけむりや、一般家庭にも自動車が普及し、保有台数が増えたことから、排出ガスにふくまれる窒素酸化物や浮遊粒子状物質などが問題となり出したんだ。
現在、公害に関するさまざまな条例が制定されたり、トラックやバスなどのディーゼル車の走行が規制されたりするなどして、東京の大気環境は大幅に改善していったよ。
大気汚染対策は現在も実行中
でも、全ての汚染物質がゼロになったわけではなく、大気汚染対策は続いているよ。中でも、削減を進める必要があるのが、PM2.5とOx(光化学オキシダントまたは光化学スモッグ)の共通の発生原因物質の1つであるNoxとVOC。特に、蒸発しやすいVOCは、スプレー製品や、接着剤、エアゾールといったさまざまな製品に使われていて、私たちの暮らしの中から、年間1万t以上も大気に放出されているんだ。
東京都では、2030年度を目標に、光化学スモッグ注意報の発令日数をゼロに、光化学オキシダント濃度を全ての測定局で0.07ppm以下、PM2.5濃度を全測定局平均で10μg /m3以下にすることを目標に、ZEVまたは低公害・低燃費車の導入、自転車シェアリングの導入、VOC対策アドバイザー派遣制度の活用など、いろいろな取り組みを行っているよ。
そして、みんなにもできることはいろいろとあるよ。協力して、東京の大気をもっときれいにしていこう!
大気をよごす主な物質
光化学 オキシダント
工場や自動車から排出される窒素酸化物やVOCなどに、太陽の紫外線が当たると化学反応を起こして発生する。
浮遊粒子状物質
大気中をただよう物質で、工場のけむりや自動車の排出ガスなどにふくまれる。人の肺などの呼吸器に入ると、健康に害をおよぼす。
PM2.5
大気中に浮遊する2.5μm以下の小さな物質のこと。自動車の排出ガスや工場のけむりなどから発生する他、光化学反応でも発生するよ
光化学スモッグとPM2.5 が発生する仕組み
ガソリンスタンドでもVOCの対策中!!
自動車への給油時には、VOCをふくむ燃料蒸発ガス(ガソリンべーパー)が発生するよ。ガソリンベーパーは、自動車の駐車時、ガソリンスタンドでの自動車への給油時などから、大気中に排出されているんだ。そこで、ガソリンスタンドでは、計量機の給油ノズルから自動車へのガソリンタンクへ給油するときに発生するガソリンベーパーを、給油ノズルに取り付けられた「カバー」で自動車の給油口をふさいで吸引し、地下タンクにもどすという対策を行っているよ。
タンクローリーからガソリンスタンドにガソリンを入れる際のガソリンべーパーについては、東京都などの自治体の条例により対策を取ることが決まっていて、かなり前から対応がとられているんだ。
大気汚染を減らすためにできること
空気をきれいにするために、私たちができることを紹介。ちょっとしたことだけど、大気汚染は減らせるよ!
【1】公共交通機関を利用しよう
お出かけは車ではなく電車を使うなど、公共交通機関を積極的に利用しよう。また、近所には、自転車や徒歩で行けば、運動にもなるし一石二鳥!!
【2】環境に配慮した製品を選ぼう
包装紙やレジ袋の印刷には、VOCが使われていることが多いんだ。そのため、個別包装が必要以上にされている物は選ばない、マイバッグを使うといった行動が大切だよ。
【3】ごみを減らす
ごみを減らすと、ごみを燃やす量が減り、工場から排出されるけむりが減るよ。残さず食べる、リサイクルを活用する、分別をきちんとするなど、ごみを減らす努力をしよう。
【4】地産地消を心がける
地元でとれた物を地元で消費することで、トラックなどによる長距離輸送が必要なくなり、排出される大気汚染物質を減らすことにつながるよ。
東京都が 進めている
「Clear Sky Tokyoプロジェクト」がイベントを開催!!
女性お笑いユニット「ぼる塾」をむかえ、大気汚染の発生のメカニズムとその対策、日ごろ、私たちにできることなどをクイズ形式で紹介する、家族で楽しく勉強できるイベントが開催されるよ。ぜひ遊びに行ってみてね。
【開催日時】
11月11日(土)14時30分から
【開催場所】
東京都武蔵村山市 イオンモールむさし村山1Fノースコート
【問合せ先】
[email protected]
東京の多様な自然を知る参加プログラム
「Tokyo Nature Class」に参加しよう!
国立科学博物館附属自然教育園で、生物多様性や自然教育園の歴史を学ぶ「謎ときフィールドツアー」と、廃材などを使用したワークショップを行うよ。
【開催日】
12月27日(水)
【申込期間】
11月27日(月)〜 12月15日(金)
※写真はイメージです
協力:東京都
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