【東海大学海洋科学博物館だより】クラゲを食べるクラゲ「アマクサクラゲ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
静岡
動物園だより
2023.11.06

【東海大学海洋科学博物館だより】クラゲを食べるクラゲ「アマクサクラゲ」

目次 [非表示]

今月のどうぶつ:アマクサクラゲ

学名:Sanderia malayensis
生息地:本州中部以南
旗口クラゲ目 オキクラゲ科

アマクサクラゲのポリプ

「かさ」にまで毒を持つ!

アマクサクラゲは、「かさ」の部分の大きさが直径20㎝ほどになるクラゲで、九州の天草地方でよく見られることから、その名前が付いたそうです。アマクサクラゲには、イソギンチャクのように岩などに張り付いて生活する「ポリプ」と呼ばれる時期があり、自然下では鹿児島湾の一部でのみ確認されています。このように、アマクサクラゲの多くは九州にすんでいますが、静岡県の駿河湾でも見ることができます。触手はもちろんのこと、なんとかさにまで刺胞を持ち、さされるととても痛いです。そのため、見つけても不用意にさわらず、観察するだけにしておきましょう。

アマクサクラゲのエフィラ

クラゲを食べるクラゲ

アマクサクラゲはクラゲ類の中では比較的育てやすく、当館でも飼育しています。「エフィラ」と呼ばれる小さい時期には、「アルテミア」という小さなプランクトンのえさをあたえます。成長するにつれ、アサリのミンチや刻んだクラゲなどもあたえていきます。クラゲにクラゲをあたえるというと、おどろく人もいますが、実はクラゲの中には他の種類のクラゲを食べるものが結構いて、アマクサクラゲも好んでクラゲを食べます。アマクサクラゲがいる水槽にミズクラゲを入れると、触手でからめとって食べてしまいます。しかし、不思議なことにアマクサクラゲ同士は、共食いしません。メカニズムは分かっていませんが、何らかの方法で仲間かどうかを見分けることができるようです。

クラゲを食べるアマクサクラゲ

東海大学海洋科学博物館ニュース

きらきら★ラグーン

きらきら★ラグーンでは、サンゴ礁とその周りの環境で暮らすカラフルな色合いの生き物などを展示しています。パイプでつながる水槽の他にも、岩の下をライトで照らしたり、水槽内に波を起こしたりする仕掛けがあり、いろいろな角度からその生態を観察できます。サンゴの間や砂の中から、生き物の暮らし方が見えてきますよ。


写真提供・協力・監修/東海大学海洋科学博物館

東海大学海洋科学博物館
〒424-8620 静岡県静岡市清水区三保2389
TEL.054-334-2385
https://www.umi.muse-tokai.jp/

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

この記事の関連ワードKEYWORD
おすすめの関連記事RECOMMEND
人気の記事RECOMMEND
1
2
3