【旭山動物園だより】水中では身軽!「カバ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
北海道
動物園だより
2023.10.10

【旭山動物園だより】水中では身軽!「カバ」

目次 [非表示]

旭山動物園の獣医師・佐藤伸高さんが、動物や動物園、自然について紹介するコーナーです。

今月のどうぶつ:カバ

鯨偶蹄目 カバ科
【生息地】 アフリカの川、沼、湖など
旭山動物園では、オス1頭と メス2頭を飼育しています

水中では身軽!

カバはアフリカの水辺で、群れで暮らしています。実は夜行性で日中は湖などの水の中で暮らし、夕暮れが近づくと陸に上がり草を食べます。動物園でも日中はプールの中にいるので、カバがいることに気づかない人も多いと思います。

旭山動物園ではガラスごしにカバを見ることができます。おどろくほど身軽に水中にもぐり、ジャンプして浮き上がります。体重はオスで約2t、メスで約1.5tです。陸上では重そうな体でノシノシゆっくりと歩いていますが、水中では浮力のおかげで体が軽くなります。

カバのプールはいつもにごっています。水の中でおしっことうんちをするからです。また、オスは自分の縄張りを示すときに、うんちとおしっこと混ぜて体の後ろにまき散らす「まきふん」をします。きたないと思うかもしれませんが、カバにとっては大事な行動です。野生では夜に陸に上がると所々にまきふんをして、帰るときにそのにおいをたどってすみかにもどると考えられています。

カバは出産も水中で行います。2020年に誕生したメスの凪子も、寝室のプールの中で生まれました。赤ちゃんカバは生まれてすぐに泳いで水面から顔を出し、息つぎをしました。水中で生まれるカバは、泳げなければ生きていくことができないのです。


母親の旭子(左)と むすめの凪子(右)


水中での身軽なジャンプ

絶滅のおそれ

実はカバは絶滅が心配されています。原因は牙などをとるために多くのカバが密猟されているからだと考えられています。昔はハンコを作るためにゾウの牙(象牙)が使われていましたが、ゾウの牙を使うことが禁止されたため、代わりにカバの牙が使われるようになりました。

カバの現状についても動物園で知ってもらえればと思います。


生まれたばかりのときの凪子

あさひやまニュース


ぺんぎん館のプール掃除のため、水を全てぬいたところ

冬期開園の準備のため休園します!

11月4日(土)から10日(金)まで、冬期開園の準備のため動物園はお休みします。この期間には、冬期展示しない動物を屋内に入れたり、獣舎の模様がえをしたりします。

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!

質問

熱中症対策はどうしてますか?

答え

今年の夏は暑かったですね。動物たちへの熱中症対策として旭山動物園では、日よけを設置する、扇風機で風を送る、水をまく、氷をあたえる、とびらを開放し出入りを自由にするなどをしました。また、ぺんぎん館の室内展示場にはエアコンがあり10℃に設定しています。


協力・監修:旭川市 旭山動物園

旭川市 旭山動物園
旭川市東旭川町倉沼
TEL. 0166-36-1104
http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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