[北海道大学 博士研究者による「自然から学ぼう!エゾリンク講座」]のぞいてみよう!ニホンザルの暮らし|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
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2023.10.10

[北海道大学 博士研究者による「自然から学ぼう!エゾリンク講座」]のぞいてみよう!ニホンザルの暮らし

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私たち人間と同じ霊長類の仲間「サル」。今回は、サルの特徴やサル同士のコミュニケーションの仕方などについていっしょに見てみよう。

祖先は同じ!サルと人間

みんなは、「サル」と聞いてどんなサルを思いうかべるかな? しっぽが長い? 顔が赤い? 地球上には約450種類のサルの仲間(霊長類)がすんでいるけど、なんとその始まりはたった1種類! 長い時間の中で環境の変化とともに多様な種類に分かれたんだ。

そして人間も霊長類の一員。祖先が同じだから、人間と他の霊長類には似ているところがたくさんあるよ。例えば、手足には5本ずつの指とそれぞれに指紋があり、物をつかみやすい形になっているところ。あ、私たちは足で物をつかむのはちょっと苦手だね! 手足を使って歩く他の霊長類とちがい、人間の足は立って歩きやすい形になっているからだよ。


⬆多くの霊長類は足でもしっかりつかめるから、細い枝の上を移動するのも得意!

日本だけにすんでいるニホンザル

日本の森に昔からすんでいるニホンザルは、日本にしかいない種類で、人間を除いて最も北にすんでいる霊長類。生息地の北限は青森県の下北半島。北海道にはいないから、道民にはちょっぴりなじみがうすいかもしれないね。


⬆雪のまう中、サンショウの木の皮を食べる ニホンザルの母子

仲間と呼びかけ合う 「クー・コール」

ニホンザルはどんな声で鳴くか知っている? ケンカをしておこっているときは、「ゴッゴッゴッゴッ」と太い声を出しながら相手を追いかける。逆に、ケンカを仕かけられた方は「キャーキャーキャーッ」と悲鳴を上げてにげるんだ。その声を聞きつけた仲良しのサルが味方をしに来て、いっしょに反撃に出ることもあるよ。他には「クー」とか「ほわ」という、鼻にかかったような、ふんわりとした声を聞くことができる。サルの研究者の間では「クー・コール」と呼ばれているんだ。

野生のニホンザルは、広い森の中、木の葉や木の実、花、キノコなどの食べ物を探し歩きながら暮らしている。群れの仲間同士は木や草などにかくれたりして、いつもおたがいが見えているわけではないんだ。そんなときにだれかが「クー」と鳴く。すると、別の所でだれかが「クー」と答える。まるで「そこにいる?」「いるよー」とでも言っているよう。そう、「クー・コール」は群れの仲間がおたがいに呼びかけ合う声。この声は、広い森の中で、はぐれずに暮らすのに役立っているよ。

おいしい木の実がたくさんなっている木を見つけたときも、大勢のサルが同時に「クー・コール」を鳴く。動物園でも飼育員さんがえさを持って現れると、一斉にちょっと興奮したような「クー」が聞けるかも。でも、この「クー」にどんな意味がこめられているのか、実はまだはっきりとは分かっていないんだ。よ~く聞くと、他にもいろいろな声を出しているよ。動物園に行くチャンスがあったら、じっくり聞いてみてはいかが!?


⬆「クー・コール」で母ザルを呼ぶ子ザル


⬆母ザルが来て、満足な子ザル


監修:大学の研究成果と専門家を持続可能な社会のために役立てる会社

合同会社エゾリンク

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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